アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

秋に聴きたい【おすすめクラシック15選】

モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番【感想|解説と名盤3選】日々の中に、ふとやってくる寂しさ…

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移り気な音符、

彷徨(さまよ)う…

さあ、神秘の森へ…♫

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弦楽器たちから漏れてくる…

  • 嘆き
  • ささやき
  • ため息…

さて、今回は、モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番

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モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番のこんな解説があります。   

第1楽章、アレグロ・モデラートは、現世から来世へ……世俗から天国へ、情念から霊魂へと移りゆく変貌が描写されているように思われ、ますます言葉では表現しがたい。それはオクターヴの範囲内で、低音から高音へ、高音から低音へと、柔軟なトレモロのように動き、短調になったかと思えば長調に転じ、しかもたいていは半音階なので、そのため楽章全体にわたって調性の明らかでない印象がつきまとうようである。(中略)この世の最も透明な音楽が、生命の神秘に侵入したところである。世俗の苦しみや喜びの奥に、それは絶対を見出したのだ。

出典:アンリ・ゲオン 著「モーツァルトとの散歩」p179

 

なんとも言えずモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の持つ神秘性を表現した言葉と感じます。

 

常に移りゆく、

  • 旋律
  • 調性

その流れはモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の全体を通して頼りなく彷徨い続けます。

 

それなのになぜだろう…「この上ないくらいのバランスのとれた美しさ…」

 

この「両極端のものが同居し、睦み合っている音楽」こそモーツァルトの音楽の素晴らしさのひとつと言っていいように感じます。

 

モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番から第19番の6曲は「ハイドン・セット」と呼ばれる名曲揃いです。

その中でも短調(暗い)の曲はこの1曲のみであり、それだけに印象的でり、また名曲でもあります。 

 

【各楽章を解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番

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それでは、各楽章について解説します。

モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

解説にありましたアンリ・ゲオンの言葉、

 

現世から来世へ……世俗から天国へ、情念から霊魂へと移りゆく変貌

 

そう、モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の第1楽章から導き出される

カタチ…、理念は…、

 

変貌…。

 

そして、また

 

空虚…

 

とも言えそうです。

 

しかし、その空虚感は、あらゆるもので満たされているようにも聴こえるから不可思議…。

 

  • 世俗
  • 天国

 

  • 情念
  • 魂…

 

という、様々な姿に変貌する中…これほど悲しく、狂おしく…でも美しい…そんなたくさんな魅力を閉じ込めた第1楽章です。

 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

この狂おしくも美しいモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の中で、一瞬の

  • 安らぎ
  • 癒やし
  • 喜び…

目を閉じれば、モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の持つ「変貌」の要素は消え、止まる…。

 

そして、ただただ静かであり…優しい…。

 

「一瞬の光の楽章」…でも、だからこそ印象的であり、この上なく美しい…。

 

さあ、喜ぼう、このわずかな時のわずかな優しさを…。 

 

第3楽章 メヌエット、アレグレット:トリオ(踊るように、やや速く)

まるで駆け抜けてゆくがごときの「情念」…。

そんな印象の第3楽章です。

世俗にあるからこその情念…。

その情念が燃えるからこその喜び、でもそれゆえに苦しみの淵に突き落とされるのも、その情念ゆえ…。 

 

第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ(速く、しかしあまり速すぎないように):ピウ アレグロ(今までより速く)

第3楽章から続く暗い情念は主題と6つの変奏曲というカタチに変わって歌い出し、展開し 、流れ行く…。

変奏曲の象徴である変転性を存分に活かしながら、速めの足どりをもって進む。

 

そして、フィナーレである第6変奏は急激にスピードをあげこの劇的でありどこか空虚なモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番を盛り上げ…

 

そして、終わってゆく…。

 

まるで、空虚なものへと再び帰ってゆくがごとくに…。 

 

【名盤3選の感想と解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番

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アルバン・ベルク弦楽四重奏団 

アルバン・ベルク四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

「どこまでも深く沈潜(ちんせん)し、どこまでも高く飛翔する」モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の要素を表現しきった名盤。

水も漏らさぬアンサンブルを駆使して展開するモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番を聴いていると恐ろしくなってくるくらい…。

少しあたたか味には欠けるかも…という感想を持つかもしれません。

しかし、この名盤は「どこまでも悲しくもあり、また、どこまでも美しい…」

そんなモーツァルトの心の一面がのぞける名盤でもありますね。 

 

モザイク四重奏団 

Quatuor Mozaïques, Erich Hörbarth, Andrea Bischof, Anita Mitterer, Christophe Coin

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

古楽器を使用しながら、非常にゆったりと情感豊かに展開するモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の名盤です。 

素朴であり、またそこはかとなく無骨な印象のピリオド楽器ですが、モザイク四重奏団はモーツァルトの音楽の持つ優美さをしっかり引き出しています。

もっと無骨な古楽器演奏の名盤もありますが、こと弦楽四重奏曲第15番については音楽が流れるような演奏がやっぱり望ましいですね。

ある意味、良くも悪くも「あまり古楽器らしくない」響きと言えるかもしれませんが名盤と呼ぶにふさわしい美しさですね。 

 

ブダペスト弦楽四重奏団 

Budapest String Quartet, Joseph Roisman, Jac Gorodetzky, Boris Kroyt, Mischa Schneider

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の哀しみの旋律の中にも透明感があり、またいい香りの漂う名盤です。

アルバン・ベルク弦楽四重奏団に近い印象は感じますが、淡々としていて味わい深い感じはあります。

1950年代のモノラル録音ですので音質を気にする方にはおすすめ出来ません。

しかし、時代を超えて語りかけてくる説得力のあるモーツァルト演奏の名盤ではあるのではないでしょうか。 

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【まとめ】モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番

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さて、モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

4つの弦楽器から奏でられる

  • 嘆き
  • ささやき
  • ため息…

が聴こえてくるモーツァルト:弦楽四重奏曲第15番。

 

ちょっとさみしい時、秋の夕暮れや冬の寒さに負けそうな時にも寄り添ってくれる美しい名曲です。

 

ぜひ、一度聴いてみてくださいね…。 

 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

www.alpacablog.jp

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