勇ましい軍楽隊の響き!
楽しげで元気が出る
心おどる名曲♫
ハイドン/交響曲第100番ト長調(Hob.I:100)「軍隊」第2楽章
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- ノリがいい!
- ワクワクする!
- 突きぬける爽快感!
今回は、軍楽隊のリズムが特徴のハイドン:交響曲第100番「軍隊」の解説とおすすめ名盤を紹介です。
- 【解説】ハイドン:交響曲第100番《軍隊》
- 【各楽章を解説】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
- 【3枚の名盤の感想と解説】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
- 【まとめ】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
【解説】ハイドン:交響曲第100番《軍隊》
ハイドン:交響曲第100番「軍隊」の楽しさを伝えるこんな解説があります。
鼓笛隊の響き。
軍隊ラッパ。
トルコ風行進曲。
通俗的で子供っぽさのある旋律。
躍動するリズム、
これは、どこかおもちゃっぽい《軍隊》だが、発表当時からこの仇名があるのは当然。
どんな演奏で聴いても楽しい曲なのである。
出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」P22より引用
なぜ《軍隊》という名がついているかというと、第2楽章と第4楽章に
- トライアングル
- シンバル
- 大太鼓
などの打楽器が、軍楽隊のように打ち鳴らされるためです。
これは、ウィーンにある「トルコ趣味」が影響しています。
ウィーンは過去オスマン(トルコ)帝国軍に包囲されて大きな恐怖におびえました。
その際、オスマン帝国の軍隊が、軍楽隊をともなって進軍しました。
そして、勇壮な打楽器の響きを敵であるウィーンの市民たちに聞かせて恐怖心をあおったと言われています。
そして、なぜか、その後ウィーンでは、かつて敵国であったトルコの文化が流行り、音楽の中にもそのトルコ文化を思わせる響きを取り入れることが多くなったようです。
また、有名なモーツァルトも、そのトルコ趣味が活かされた《トルコ行進曲つきピアノソナタ》を作曲しています。
「ハイドン:交響曲第100番《軍隊》の作曲からさかのぼること10年前のことでした。
ちなみにハイドン:交響曲第100番《軍隊》楽器編成は以下の通りです。
- 第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン
- ヴィオラ、チェロ、コントラバス
- フルート✗2、オーボエ✗2、クラリネット✗2、ファゴット✗2
- ホルン✗2、トランペット✗2
- ティンパニ
それと第2楽章と第4楽章の軍楽隊の響きを担当する、
- トライアングル
- シンバル
- 大太鼓
という以上の編成になります。
【各楽章を解説】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
それでは、各楽章について解説したいと思います。
ハイドン:交響曲第100番「軍隊」は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。
第1楽章 アダージョ〜アレグロ
ゆったりとした重みのある響きのハイドンの交響曲らしい序奏から始まります。
オーボエの軽やかさとフルートの優しさがまるで小鳥のようにさえずり、序奏の重さを忘れさせるように流れ始めます。
とても朗(ほが)らかであたたかい旋律はこの後も交響曲第100番《軍隊》の全体をつらぬきます。
第2楽章 アレグレット
さて、この第2楽章が聴きどころであり「軍隊」の名を象徴するような内容になっています。
はじめはノンビリとしたリズムな流れで牧歌的とも言える音の流れが続きます。
しかしある時、急に
- 「ドオン!ドオン!!」という太鼓の音
- 「ジャーン!ジャーン!!」というシンバルの響き
- 「チリリリリリ、チリリリリリ…♬」というトライアングルの笑い
- 「ププププー!ププププー!!」トランペットのさけび
これらの楽器が交わって、軍楽隊の楽器のようなにぎやかで勇ましい様を展開します。
そして、ハイドンの他の交響曲にいても「第2楽章」はユーモラスなものが多いですね。
- いきなりビックリさせる「驚愕」交響曲だったり
- 時計の針を刻むような響きの「時計」交響曲、
- そして、軍楽隊の響きを持つ今回の「軍隊」交響曲
だったり…ですね。
そんな意味でハイドンの交響曲の第2楽章を聴きくらべるのも楽しいかもしれません。
以上、2曲についてはこちらの記事もおすすめです。
第3楽章 メヌエット:モデラート
春の訪れを思わせるような舞曲風のノリのいい楽章です。
ズンチャッチャ、ズンチャッチャ…のという普遍的な愉快なリズムで展開するからこころワクワクして飽きさせません。
さあ、いっぱいな喜びをたくさん感じとりましょう!!
第4楽章 ファイナル:プレスト
ユーモア精神でいっぱいの、ハイドン:交響曲第100番《軍隊》のフィナーレにふさわしく、とても元気で明るい1曲です。
弾むような躍動感や喜びのようなイメージを持ちますね。
また最後のほうでは再び
- 「ドオン!ドオン!!」
- 「ジャーン!ジャーン!!」
- 「チリリリリリ、チリリリリリ…♬」
- 「ププププー!ププププー!!」
という軍楽隊テーマのにぎやかさが表れてきて愉快で痛快なまま曲を終えていきます。
【3枚の名盤の感想と解説】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
フランス・ブリュッヘン:指揮 18世紀オーケストラ
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
「控えめな表現の中に、清らかな美しさが秘められている」名盤です。
きらびやかで勇ましい表現が合っているハイドン:交響曲第100番「軍隊」ですが「こんな演奏もいいものなのだなあ」という発見があってうれしい名盤でもあります。
- 男性的というよりは女性的
- 勢いの良さというよりは小気味よさ
- おしゃべりというよりは思索的…
そんな魅力の名盤です。
第2楽章と第4楽章の軍楽隊の響きもどこか控えめですが、ハイドン:交響曲第100番「軍隊」の本来の旋律の美しさを感じとるのに適しています。
パンチの足りなさはあるものの、ジックリと聴き込みたい方におすすめの名盤ですね。
アンタル・ドラティ:指揮 フィルハーモニア・フンガリカ
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
勢いと美しさのバランスの妙とはこのこと…。
およそハイドン:交響曲第100番「軍隊」の
- デフォルト(標準)であり
- 理想であり
- 心地いい…
良くも悪くも「個性的ではない」とも言えそうですが、その分「ハイドン演奏のあり方」を徹底的に追求したドラティのワザありの名盤です。
ブルーノ・ワルター:指揮 コロンビア交響楽団
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
重厚感と美しさが同居した名盤です。
「軍隊」という題名とは言え、あまりにもズッシリと表現されても本来のハイドンの旋律の美しさが感じられないものです。
また、だからといって軽く演奏されすぎても「軍隊」の勇壮さが伝わってきません。
その意味での全体のつりあいの取れた名盤を言えます。
録音は古くてよくありませんしテンポも非常にゆったりとしていて、まだるっこしいイメージを持たれるかもしれません。
でもこの訥々(とつとつ)したおもむきの中にハイドンの音楽の持つ誠実さのようなものが感じられて嬉しい名盤なのです。
アルパカ個人としてもハイドン:交響曲第100番「軍隊」を人生(アルパカ生?)で初めてふれた演奏ですし大好きな名盤です。
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【まとめ】ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
さて、ハイドン:交響曲第100番「軍隊」の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- ノリがいい!
- ワクワクする!
- 突きぬける爽快感!
そんな愉快な交響曲を聴いて毎日を盛り上げながら楽しく過ごしたいですね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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