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シューマン:交響曲第3番《ライン》【解説と名盤3選の感想】

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ライン川を散策

萌え出る、発想

旋律美しき交響曲!

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心病めるシューマンの目の前に広がる、壮大なライン川

立ち並ぶ古城、精霊伝説ローレライで有名でもあるライン川沿いの町、デュッセルドルフに集う陽気で明るい人々から受ける安心感

 

そしてりる、かなインスピレーション!

 

さて、今回は、シューマン:交響曲第3番《ライン》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】シューマン:交響曲第3番《ライン》

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シューマン:交響曲第3番《ライン》についてのこんな解説があります。  

ライン河は、ドイツを代表する大河で、その流れに沿って、ボン、ケルン、デュッセルドルフといった大都市が点在している。(中略)(第4楽章は、このケルンの大聖堂でとり行われた大司教の枢機卿昇進の式典を見たシューマンが、その感動を音楽であらわしたものなのである。

出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P49より引用

 

1850年9月、40歳のシューマンはドレスデンを離れてデュッセルドルフへと引っ越します。

1849年5月にドレスデンで起こった革命から家族を守るためと、もう一つは新しい職場での仕事を始めるためでした。

その仕事とは、フェルディナント・ヒラーの後任として、デュッセルドルフの管弦楽団と合唱団での音楽監督としてのものでした。

これによりシューマンは経済的にも安定を得ることが出来ました。

さらに30歳頃からシューマンは精神障害で悩んでいましたが、土地の人々からの歓迎を受けたことで精神的な安定を得ることが出来たようです。

 

さて、解説にもありますが、ケルンの大聖堂でとり行われた大司教の枢機卿昇進の式典においてシューマンの創作意欲が湧き上がります。

そして、作曲されたのが、交響曲第3番《ライン》でした。

シューマンの名曲《チェロ協奏曲》が作曲されたのも同じ頃であり、この頃のシューマンの音楽的な充実度の高さがうかがえます。

また、現在この「交響曲第3番」と呼ばれている交響曲の前に、現在の「第4番」と呼ばれる交響曲は一度完成しています。

ただ、その後「交響曲第3番」の作曲後に「交響曲第4番」を改定しているため現在の番号になりました。

そのため実質的には「交響曲第3番」がシューマンにとっての最後の交響曲となりました。

全5楽章の壮大な交響曲であり、ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》で始まった「5楽章交響曲」の形をマーラーへと橋渡ししたという意味でも重要な1曲と言えそうです。

ちなみに、多くの名曲がそうであるように《ライン》の名称はシューマン自身がつけたものではありません。

とは言え、シューマンが、ライン川から大きな影響を受けたことは間違いのない事実ですし、とても素敵なネーミングであると感じます。

 

初演:1851年2月6日

指揮:ロベルト・シューマン自身

デュッセルドルフ:音楽協会演奏会において

編成:

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ヴァルヴホルン2、ナチュラルホルン2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ、弦五部

 

【各楽章を解説】シューマン:交響曲第3番《ライン》

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それでは、各楽章について解説します。

シューマン:交響曲第3番《ライン》は第1楽章から第5楽章までの5曲で成り立っています。

第1楽章 生き生きと

おお、輝かしくも雄大なるライン川!

生き生きと希望に満ちて、充満するエネルギーを一気に開放し流し込んでくるような力強さ。

 

おお、光を反射し、ほとばしりる!

水!

水!!

水!!!

 

若々しくもらかに、そしてらかにライン川!

 

第2楽章 (スケルツォ)きわめておだやかに

たゆたう川面

ライン川

 

ゆうらりゆらり

ゆらゆらと

たゆたうラインの歌う川

ラララ、ラインの歌う歌

 

たゆたう

歌う

ラララララ

 

うつらうつらと

つらつらと

うたた寝みたくライン川

ラララ、ラインの歌う歌

 

第3楽章 速くなく

柔らかくも優しい、ライン川沿いに流れる豊かな時間を思います。

シューマンらしい歌心をもった民謡風な1曲で、おだやかな雰囲気を持ったとても美しいメロディを含んでいます。

 

第4楽章 荘厳に

解説にありました「ケルンの大聖堂でとり行われた大司教の枢機卿昇進の式典」からのインスピレーションはこの第4楽章にあたります

そして交響曲第3番《ライン》全体を構想する際にベースになってもいます。

非常に重厚であり宗教的でもありますので交響曲第3番《ライン》全体の雰囲気からは離れますが、それだけに印象的な1曲になっています。

 

第5楽章 (フィナーレ)生き生きと

第4楽章とは打って変わっての祝典的で明るい楽章です。

ただ、強いパンチで迫ってくる感はあまりなく、むしろライン川のゆったりと流れるイメージはそのままに展開する調和的な明るさに満ちています。

思わず大勢で手をとって踊りたくなるような、大自然への讃歌にも聴こえてきます。

壮大で美しいシューマン:交響曲第3番《ライン》のフィナーレを飾るにふさわしい彩り豊かな楽章です。

 

【名盤3選の感想と解説】シューマン:交響曲第3番《ライン》

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カルロ・マリア・ジュリーニ:指揮 ロサンゼルス・・フィルハーモニック 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

格調の高さを感じさせる品のある名盤です。

決して急がず、決して焦らずに音を運びながら、キビキビと引き締めるべきところは引き締めて中庸を守っています。

滔々(とうとう)と流れるライン川の美しく反射する水面まで見えてきそうな名盤でもあり、とても印象的です。

しっかりと音楽を構築しながら、ジュリーニの持つ本来のイタリア人的な楽天的な明るさも感じるバランスのいい名盤です。

 

ジョージ・セル:指揮 クリーヴランド管弦楽団 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

キチッと整ったアンサンブルの中から香り立つ情感が好ましい名盤

速めのテンポで流れる中にも、品性を落とさない気高さのようなものが漂っている音であって、すっかりセルの奏でるシューマンの虜になります。

この感じ、まさしくライン川の「滞りなくたゆたう流れ」そのものとも言えそうな素晴らしい名盤です。

美しい旋律を発想するシューマンの感性をそのまま実現した、なんとも若々しくもキラリ光るまぶしさを感じる名盤でもあります。

 

オットマール・スイトナー:指揮 シュターツカペレ・ベルリン 

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

夢を見ているようなふわっとした柔らかさが特徴の名盤です。

ロマン派の作品は、特にそうですがスイトナーの優しさに包まれるような雰囲気に包まれると本当に幸せな感覚が湧き上がってきます。

音の響きもゆったりとしていて、それに合わすようにテンポもゆったりめにして残響を存分に楽しめるよう計らっているようにも感じます

とにかくロマン派系の音楽に浸りたい時にはピッタリという名盤です。

 

【まとめ】シューマン:交響曲第3番《ライン》

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さて、シューマン:交響曲第3番《ライン》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

  • ライン川を散策
  • 萌え出る、発想
  • 旋律美しき交響曲!

降りる、豊かなインスピレーション!

 

壮大なライン川を想って心楽しく聴きたい名曲です。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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