アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

モーツァルト:トルコ行進曲【名盤3枚と解説】誰もが好きな曲ピアノソナタ第11番

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ドン♫

ドン♫

ドン♫ドン♫ドン♫

トルコ軍がやってくるぞお!!

当時の流行が産んだ

ノリの良い名曲♫


ウィーン式フォルテピアノのペダル Vol.3 モーツァルト:トルコ行進曲

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まるで軍楽隊の行進曲!! 

今回は、流行にノリノリだったモーツァルトの有名曲!

トルコ行進曲の解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

 

 

【解説】モーツァルト:トルコ行進曲

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トルコ行進曲の呼び名の由来


《トルコ行進曲》はモーツァルトの《ピアノソナタ第11番》の第3楽章のことを言います。

演奏会などではこの第3楽章の《トルコ行進曲》が単独で演奏されることも多く人気の高い1曲です。

 

さて、こんな解説があります。   

当時のヨーロッパで流行していたトルコの軍楽隊の響きをまねた第3楽章は、「トルコ行進曲」として、しばしば単独でも演奏される有名な曲である。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P280より引用

 

そう有名なモーツァルト:トルコ行進曲は解説にありますように「トルコ軍の軍楽隊の響き」がもとになっています。

 

とくに

トルコ軍の軍楽隊の

ドン♫

ドン♫

ドン♫ドン♫ドン♫

というリズムを取り入れて人びとに親しまれやすく、また聴きやすい曲に仕上がっています。

 

脱サラしたモーツァルトの野心作!!

 

モーツァルトは25歳の頃、コロレド大司教と対立してしまい宮廷音楽家としての立場を捨てて辞職します。

その後はフリーの音楽家として身を立てるために、それまで住んでいたザルツブルクを離れウィーンへと移住します。

 

今でいうと「サラリーマンが上司とソリが合わずに独立を決意して会社を辞める」感覚に近いかもしれませんね。

 

さて、新天地ウィーンでフリーの音楽家として売れるためには「流行に乗る!」がてっとり早いです。

そこでモーツァルトはウィーンで当時流行っていたトルコ趣味に目をつけたのです。

 

トルコ行進曲が作曲された1783年は、トルコを含むオスマン帝国によるウィーン包囲に対して、ヨーロッパの十字軍が勝利してから100周年という記念の年でした。

これを機にウィーンではトルコ文化が流行していたのでした。

 

とくに音楽的には、オスマン帝国軍に随行した軍楽隊によるノリのいいビート(たたく)の効いたリズムが流行っていました。

このトルコの軍楽隊のことを「メフテル」と言ったそうですが威勢のいいリズムが特徴で、

 

ドン♫

ドン♫

ドン♫ドン♫ドン♫

 

という、

  • ラッパ
  • 大太鼓
  • シンバル

という楽器などを使って敵を威圧しながら攻め込むわけですが、これがヨーロッパ諸国の人々の恐怖だったようです。

 

さて、このリズムを《トルコ行進曲》に採用して作曲したモーツァルトでしたが、狙いはバッチリとハマったようでよく演奏されて大人気だったようです。

 

そしてウィーンでは音楽以外でも、トルコ風情がたっぷりの、

  • コーヒーハウス
  • タイル
  • じゅうたん
  • ソファー

 

なども大人気!

 

ウィーンの街はトルコ趣味一色でした!!

 

ちなみに作曲された年は、1783年のウィーンでとの説が有力ですが1778年パリにおいて作曲との説もあります。

 

そしてトルコ風情のある曲はベートーヴェンやハイドンも作曲に挑戦しています。

つまり、

  • ベートーヴェン:劇付随音楽《アテネの廃墟》の中の1曲
  • ハイドン:交響曲第100番『軍隊』第2楽章

のことですね。 

 

【各楽章を解説】モーツァルト:トルコ行進曲

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それでは、モーツァルト:ピアノソナタ第11番《トルコ行進曲つき》の各楽章について解説したいと思います。

モーツァルト:ピアノソナタ第11番《トルコ行進曲つき》は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 アンダンテ グラツォオーソ(優美にゆっくりと)「主題と6つの変奏」

主題

暖かい午後のやわらかい日差しのようなぬくもりに包まれるような始まりです。

 

第1変奏

少しテンポを上げながら展開します。

まるで静かに語りかけるような…そんなささやきを感じます。

 

第2変奏

明るさを帯びてきます。

日差しのルクス(明るさ)を増していくようです…。  

 

第3変奏

 一転して憂いを秘めた暗い基調の曲になります。

全体的に明るめの仕上がりのピアノ・ソナタ第11番をバランスよく引き締める1曲ですね。 

 

第4変奏

再び暖かい日差しが差し込んできましたね。

小川のようにさらさらと流れて光る心地よさを感じます。 

 

第5変奏

小川はほんの少し「流れ」と「光」を変えて愉しんでいるようですね…。  

 

第6変奏

テンポが上がりノリがよく進められていきます。

次の第2楽章への序奏とも言えそうな明るい基調の1曲です。  

 

第2楽章 メヌエット:トリオ 

小川の流れが速いものに変わります。

でもそれは急なものではなくまるで踊っているような優雅な流れ…。

モーツァルトによるモーツァルトらしいメヌエット楽章ですね。

 

第3楽章 トルコ風のロンド:アレグレット

《トルコ行進曲》とも呼ばれますが、当時のウィーンではのトルコ行進曲を演奏するためにつくられたピアノも存在していたようです。

まさしくオスマン帝国軍の軍楽隊「メフテル」の鳴らす大太鼓やシンバルのような音を出すためのペダルが装着されているもので、とてもダイナミックに演奏されます。

(冒頭の動画が参考になります)

さらに、ラストの方では、わざと和音をずらしたリズムを奏でることによって、たくさんの打楽器が鳴っているように聴こえるという工夫もほどこされています。

それこそ「まるで軍楽隊」という感じです。

 

そう、モーツァルトの独立後、売れっ子になりたいための

  • 野心♫
  • 工夫♫♫
  • そして楽しみ♫♫ 

が、ギュギュギュ〜っと詰まった名曲がトルコ行進曲なのですね! 

 

【3枚の名盤の感想と解説】モーツァルト:トルコ行進曲

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イングリット・ヘブラー:ピアノ

 

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

モーツァルトの持つ

  • ほほえみ
  • 優美さ
  • 透明なそよ風 

そんな特徴がふわりふわり、はらりはらりと降りてくる。

それはやわらかい光をともなって…。

そんなモーツァルトを得意とするヘブラーの優しい名盤です。

 

辻井伸行:ピアノ

 

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ひとつひとつの音のつぶがキラキラしていて美しいモーツァルトです。

 全体的にあまり緩急をつけずに調和的に進められていく演奏がなんともモーツァルトらしくていいですね。

第3楽章のトルコ行進曲は、柔らかすぎる感が無くはないですがスピードもちょうど良く超絶美しい、モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番の名盤です。 

 

ワルター・ギーゼキング:ピアノ

 

 

AmazonミュージックUnlimitedでも聴けます♫

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

 

飾りとにごりを廃した澄んだ境地の名盤です。

「純粋無垢」こそモーツァルトの特徴であり、その表現が究極まで高まった名盤です。

若干突き放した感じや冷たさはあるものの昔からギーゼキングのモーツァルトのピアノ・ソナタは名盤とほまれ高いですね。

  • 模範
  • 定番
  • 理想

いろんな形容ができますが一度は聴いておきたい名盤です。

 

【まとめ】モーツァルト:トルコ行進曲

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さて、モーツァルト:トルコ行進曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

人気の有名曲もその作曲の背景を知ると楽しいものです。

  • ちょっと元気が落ちてきた
  • イマイチやる気が出ない
  • ネガティブな出来ごとが多すぎる

そんなときは勇ましくて元気のでるモーツァルト:トルコ行進曲でも聴いて本来の自分を取り戻したいですね。 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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