チェコが生んだメロディメーカー
ドヴォルザークの傑作中の傑作!
躍動感でノリたい時に聴きたい♫
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「同じ聴くなら楽しまなきゃ損(ソン)、損(ソン)!」
「たくさんの心地いいメロディ」と「民族性」でいっぱいという特徴のあるドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の解説と名盤紹介です!
【楽曲を解説】ドヴォルザーク:スラヴ舞曲
民族性と舞曲について、あるエピソードを含む、解説があります。
ドヴォルザークの才能を認めたブラームスは、さまざまな助力を惜しまなかったが、なかでも、かつてブラームス自身が「ハンガリー舞曲集」で成功を収めたことから、それと同じような郷土色豊かな舞曲集の作曲をすすめ、さっそく書かれたのが、ドヴォルザークの名を世界的に広めることになった「スラヴ舞曲集」なのであった。
この作品は、チェコのフリアントやポルカ、ポーランドのポロネーズや小ロシアのドゥムカといった、東欧の民族色豊かな舞曲のリズムによる曲を集めたもので、スラヴの土の臭いのする、たいへん魅力的な内容となっている。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P122より引用
「郷土色豊かな舞曲集」って本当にその土地に旅してる感覚に誘われて楽しいものです。
まさしく東欧の世界を散策しながら、折に触れて所どころから聞こえる舞曲に耳を傾ける。
そんな瞬間を思ってしまいます。
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集は、そんなワクワクするような感情を持って聴ける名曲集という感想を持ちますね。
【各楽章を解説】ドヴォルザーク:スラヴ舞曲
それでは、各楽章についてその特徴や感想などの解説をしたいと思います。
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集は、第1集と第2集が8曲ずつで、全16曲で、成り立っています。
スラヴ舞曲第1集 作品46
- 第1番「フリアント」
ボヘミアの舞曲で、なんとも弾けた感じの明るい曲という感想です。
名曲、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の始まりにふさわしい元気になれる1曲です。 - 第2番「ドゥムカ」
「ドゥムカ」は、その発祥が、ウクライナの舞曲とかポーランドの舞曲などの説があります。
曲としては、悲しさが漂っているなと思うと、急に明るい基調になったりしながら展開する起伏のある1曲という特徴があります。 - 第3番「ポルカ」
ボヘミア発祥の愉快な「ポルカ」をもとにした1曲です。
天気のいい、おだやかな農民の1日という特徴です。
心がほっこりとします。 - 第4番「ソウセツカー」
ボヘミア舞曲であり、「隣人、または仲良しの踊り」という意味があります。
収穫祭の後に隣人同士が集まって踊ったのが起源だそうで、ゆったりとした中に収穫の喜びが伝わってきます。 - 第5番「スコチナー」
ボヘミア舞曲ですね。
アップテンポな1曲で、ステップも軽やかに躍る人たちの姿が、ありありと見えてくる。そんな感想です。 - 第6番「ソウセツカー」
おどけた雰囲気の中に哀愁の味付けを一滴ほど、加えた楽しい1曲です。 - 第7番「スコチナー」
モラヴィア地方の民謡がもとになっています。
曲調の変化も多様で、起伏がありスケールも大きいのが特徴の1曲ですね。 - 第8番「フリアント」
なんとも激しい曲調のボヘミア舞曲をもとにしたもの。
フィナーレにふさわしく「大盛り上がりの狂乱のダンス」という特徴でドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の第1集は終わっていきます。
スラヴ舞曲第2集 作品72
- 第9番「オドゼメック」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の第2集の始まりは、やはり激しいテンポの特徴のボヘミア舞曲です。
途中にゆったりとした牧歌的な強調にはなりますが、最後は再び楽しく踊りまくる雰囲気の楽しい展開をみせますね。 - 第10番「ドゥムカ」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の中で、もっとも有名です。
悲しさや、さみしさが曲を覆いますが、なんとも透明感があって心をつかんでくるという感想の1曲です。
素晴らしいメロディメーカーとしてのドヴォルザークの真骨頂とも言えそうな名曲中の名曲ですね。
- 第11番「スコチナー」
起伏に富んだ「スコチナー」の元気になれる1曲です。 - 第12番「ドゥムカ」
第10番ほど有名ではありませんが、哀愁を秘めた特徴の美しい曲です。 - 第13番「シュパチールカ」
苦難や困難の坂を登るときのような雰囲気、特徴で始まります。
舞曲らしいノリのいいテンポながら、全体に暗く、そして重い空気の曲になっているとの感想が持てます。 - 第14番「ポロネーズ」
ポーランドの舞曲です。
テンポが、速くない舞曲で、淡々とした3拍子です。 - 第15番「コロ」
セルヴィアの民族舞踊です。
たくさんの人が集まってワイワイと踊る舞曲で、とても楽しく愉快な1曲です。 - 第16番「ソウセツカー」
第2集のフィナーレは、第1集とは打って変わって、なんともゆったりとした調和の雰囲気が漂う優しい曲となっています。
たくさんの舞曲が織りなした楽しいひとときが終わっていく際のちょっぴりさみしく、また印象に残る終わり方ですね。
それもまた、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集の大きな特徴のひとつなのです。
【3枚の名盤の感想と解説】ドヴォルザーク:スラヴ舞曲
ヴァーツラフ・ノイマン:指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【解説】
民族色が豊かに表現されながら、いかにも「慣れた演奏」という安定感が特徴です。
感想としては、チェコフィルの民族性と演奏のバランスの良さが絶妙で飽きさせない名盤。
スラヴの風を音楽で…。
そんな「広大な旅の楽しさを日本に居ながらにして楽しめる」そんな感想の名盤です。
ジョージ・セル:指揮 クリーヴランド管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【解説】
知情意のバランスの妙♫
土の匂いや、民族性は少し落ちますが、多くの人が聴いても安心して楽しめる名盤です。
どこか気品が漂う清潔感がありあますし、感情に流れすぎない表現がこの名盤の聴きやすさにつながっているものとの感想が持てます。
知的な響きのセルの指揮は、意外とドヴォルザークと相性がいいのが特徴。
弾けながらも「弾けすぎないすぎないバランスの良さ」がいいのかも…。
そういった意味で多くの人に受け入れやすい名盤かもしれません。
ラファエル・クーベリック:指揮 バイエルン放送交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【解説】
なんともエネルギッシュでパワーが感じられる特徴のある名盤です。
踊り狂う人たちの汗が飛び散る様が見えたり、その体臭や土の匂いまでが漂って来そうな感想の名盤です。
少し野生がありますが、そこはクーベリックとバイエルン放送交響楽団の本来の品の良さが効いていて、卑しいレヴェルまで行かないところがなんとも絶妙です。
「元気が欲しい時に聴きたい」ビタミン剤的なファイティングスピリットをくれる。
そんな感想の名盤です。
【解説と名盤、まとめ】ドヴォルザーク:スラヴ舞曲
さて、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲の名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?
親しみやすいメロディと元気の出るノリの良いテンポ、そして、ところどころに漂う哀愁…。
色んな要素の混ざりあった素敵な曲、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集を聴いて楽しく愉快にスラヴの各地方を旅しませんか?
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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