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バッハ:無伴奏チェロ組曲【解説と名盤3選の感想】

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求道の軌跡

たどる名曲!

チェロの旧約聖書

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  • 深い哲学性
  • 瞑想的な思索性
  • バランス感のある構築性

通奏低音を奏でつつ合奏を盛り上げることの多かった、いわば脇役的存在、チェロ。

音楽の父バッハが、その魅力を最大限に引き出した「チェロの旧約聖書」。

 

さて、今回は、バッハ《無伴奏チェロ組曲》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

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【解説】バッハ《無伴奏チェロ組曲》

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楽曲解説

 

バッハ《無伴奏チェロ組曲》についてのこんな解説があります。  

「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」が、ヴァイオリンの聖書、にたとえられるとすれば、チェロの聖書、に当たるのが、六曲からなるこの「無伴奏チェロ組曲」である。バッハは、当時ほとんど合奏の際の低音部を担当する楽器としてしか使われていなかったチェロのために、この「組曲」を書き、チェロという楽器に新たなる魂をふきこんだのであった。

出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P277より引用

レオポルド公に使えていたバッハのケーテン時代(1717年から1723年)、作曲においても実りの多かったこの時代に無伴奏チェロ組曲は作曲されています。

宮廷楽団のチェリストの奏者でもあったクリスティアン・フェルディナント・アーベルのために書かれたという説があります。

ただ、演奏の際にかなり高度な技術が要求されるため、そもそもアーベル自身が弾きこなせたかどうかは疑問の声があるのも事実。

本来チェロは4弦ですが、第6番は5弦の楽器用に作曲されています。

そのため、本来はチェロではなくヴィオロンチェロ・ダ・スパッラのために書かれたのではないかとも言われています。

現在バッハ自身による自筆楽譜は発見されていません。

バッハの後妻アンナ・マグダレーナの書き写した楽譜が、バッハ自身の自筆譜を元に書き写したであろうと言われており最も信頼されています。

 

同じくバッハのケーテン時代には「無伴奏ヴァイオリンのための6曲の独奏曲『第1巻』」という曲が作曲されています。

これが「第1巻」であるのに対して《無伴奏チェロ組曲》が「第2巻」という位置づけがバッハ自身によって成されています。

パブロ・カザルスの功績

今や伝説のチェリストと言っても過言ではないパブロ・カザルス。

1890年、カザルスが13歳の時、バルセロナの古い楽譜店で、偶然に無伴奏チェロ組曲の楽譜を見つけます。

その後、12年の長きに渡って無伴奏チェロ組曲を弾き続けて研鑽を重ねる日々を送り、25歳にして初めて演奏を公開します。

それまで、ほとんど日の目を見ることのなかった無伴奏チェロ組曲でしたが、カザルスの功績により世間からの注目は集まり広がっていったのでした。

 

無伴奏チェロ組曲の構成

全6曲ある無伴奏チェロ組曲ですが以下の構成になっています。

  • 第1曲:プレリュード
  • 第2曲:アルマンド
  • 第3曲:クーラント
  • 第4曲:サラバンド
  • 第5曲:メヌエット(第1番、第2番)
         ブーレ(第3番、第4番)
         ガボット(第5番、第6番)
  • 第6曲:ジーグ

 

第1曲:プレリュード

前奏曲であり、6曲あるバッハの無伴奏チェロ組曲においては各曲の性格をよく表しているとも言えます。

第2曲:アルマンド

フランス語における「ドイツ風の舞曲」の意味で、4分の4拍子をとっており、速さとしては中くらいです。

第3曲:クーラント

ハツラツとして流れるような3拍子による舞曲になります。

第4曲:サラバンド

もとはスペインやラテンアメリカで起こり、17〜18世紀にヨーロッパで流行した厳かな印象の舞曲。

 

第5曲①:メヌエット

組曲第1番と第2番においては「メヌエット」が採用されています。

フランスの農村で起こり、次第に上流階級の音楽として採用されていった優雅な響きのある舞曲です。

 

第5曲②:ブーレ

組曲第3番と第4番においては「ブーレ」になります。

フランスのオーヴェルニュ地方で起こった民族舞踊で、軽快で明るいイメージの曲になります。

 

第5曲③:ガボット

組曲第5番と第6番においては「ガボット」です。

2分の2拍子でテンポの良い舞曲。南フランス地方の住民ガボから取られたという説があります。寒い土地柄、人々は腕を組み合ったり、足を交差したりしてに踊ったようです。

 

第6曲:ジーグ

終曲らしく元気のいい雰囲気の曲になります。

アイルランドの民族舞踊がその起源と言われています。

 

【各曲を解説】バッハ《無伴奏チェロ組曲》

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組曲 第1番(ト長調)

第1曲目のプレリュードは有名であり、聴きやすい旋律で覆われています。

「春風のような爽やかな印象」があり無伴奏チェロ組曲の全6曲の中では聴きやすい1曲と言えます。

 

組曲 第2番(ニ短調)

ゆったりと、そして、とうとうと流れる大河を思わせる曲で「瞑想的な魅力」すら感じさせます。

曲自体が短調であることから、精神を内省の境地へと沈潜させていく感覚に近いと感じます。

組曲 第3番(ハ長調)

全体としては、明るくて「楽天的な印象」があります。

第4曲目のサラバンドの静けさが特徴的。第3番は全体としてエネルギッシュであるためにコントラストの差が影響するのかもしれません。

 

組曲 第4番(変ホ長調)

実り多き秋に感じられる「落ち着きをともなった明るさ」を伴っています。

始まりの前奏曲からして、ゆったりとした音運びで始まります。

全体として、いい意味で強弱があまりなく平静を保った楽曲です。

 

組曲 第5番(ハ短調)

芯の強さを感じさせながらも「深い悲しみと痛み」に耐えている。

そんな印象です。

悲しみの思いを隠しつつ、心のうちで静かにむせび泣いている様を思います。

 

組曲 第6番(ニ長調)

第1楽章の明るさが「春」ならば、第6楽章は「力強い夏の日差し」と言えそうです、

明るく親しみやすい旋律で展開しますので聴きやすい1曲と言えます。

特に第5楽章の「ガボット」は有名です。

5弦の小型チェロのために書かれたと考えられています。これは足に挟んで演奏するわけではなくいわば5弦ある大型のヴィオラのようなものでした。

つまり顎のあたりにつけて演奏する楽器で、バッハが考案したいう説もあります。。

4弦あるチェロで演奏する機会がほとんどですが、その際には非常に高度な技術を必要とします。

 

【名盤3選の感想と解説】バッハ《無伴奏チェロ組曲》

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パブロ・カザルス:チェロ 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

歴史的な名盤です。

解説に記しましたが、古い楽器店で見つけた無伴奏チェロ組曲の楽譜に運命的に出会ってから楽譜をもとにチェロの技術を上げてくカザルス。

生涯を通して、毎日1日に一回は無伴奏チェロ組曲の中のどれかを弾いていたというカザルス。

「チェロの旧約聖書」と呼ばれるバッハの無伴奏チェロ組曲ですが、その伝道師の最たるチェリストがカザルスと言えそうです。

(ちなみに「チェロの新約聖書」は《ベートーヴェンのピアノとチェロのためのソナタ》)

スペインでの内戦勃発後にフランスへ亡命して、演奏活動によって世界へ向けて平和を訴え続けたカザルス。

人生の風雪を耐えながら、毎日弾き続けた「無伴奏チェロ組曲」はカザルスのとっての「思い」そのもの

モノラル録音ではありますが、無伴奏チェロ組曲を聴くなら一度は耳に触れたい名盤です。

 

 

ミッシャ・マイスキー:チェロ

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

たくましさの中に深く根付いている繊細さが魅力の名盤。

情感がこもり過ぎかもしれませんが、とてもロマンティックで美しい演奏です。

録音も素晴らしいですし、チェロという楽器ひとつで、これほど夢を見るような空想世界に誘ってくるマイスキーの手腕に、ただただ驚かされます。

無伴奏チェロ組曲への深い洞察力と瞑想的な精神性を感じさせる名盤です。

 

ピエール・フルニエ:チェロ

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

フルニエらしい端正で折り目正しい名盤です。

歌いすぎず、情感も込めすぎないところから物足りなく感じるかもしれません。

ただ長く腰を落ち着けて聴きたい名曲が無伴奏チェロ組曲ですので、フルニエの名盤は、ある意味で最適な選択と言えるかもしれません。

無伴奏チェロ組曲の本来持つ構造的な美しさも再認識できる名盤でもあります。

 

【まとめ】バッハ《無伴奏チェロ組曲》

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さて、バッハ《無伴奏チェロ組曲》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

  • 深い哲学性
  • 瞑想的な思索性
  • バランス感のある構築性

 

様々な魅力を秘めた名曲、バッハ《無伴奏チェロ組曲》。

 

音楽的な魅力の世界に、沈潜…しませんか?

 

 そんなわけで…

 

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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