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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》【解説と名盤3選】凄みと気迫の室内楽!

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厳粛、真剣

緊張感…

内面の美、鳴る♫

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中でも、短い曲でありながら「深遠さ」や「哲学性」が深く、メロディも美しい。ベートーヴェンの音楽的探求が結実した名曲。

今回は、ベートーヴェン弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》解説とおすすめ名盤を紹介です。

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【解説】弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も形の小さいものだが、表現するところはきわめて主観性が強く、音楽の中に立入ることは後期の諸作よりももっと困難であるように思われる。 (中略)第2楽章から切れ目なく続く第3楽章のスケルツォ風の音楽で、そこに《セリオーソ》の発想表示があるが、この表示を、初め作曲者は全曲に与えようと思った(出版の際になぜか削除された)のであった。 

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P72より引用

「セリオーソ」というイタリア語は「厳粛な」とか「真剣な」 といった意味になります。いきなりユニゾン(全楽器が同じ旋律で奏でる)で劇的に始まるあたりは有名な「運命交響曲」を思わせます。前作の弦楽四重奏曲第10番《ハープ》における曲調の飛躍的な変化を受け、ベートーヴェンの内面の「激情」が、さらに深くブレンドされた感覚です。

解説には「後期の諸作よりももっと困難」とありますが、ベートーヴェン自身が「玄人による小さなサークルのために書いた」との書面での記述が残っています。(ジョージ・スマート卿宛ての手紙)多くの聴衆向けに書いた作品ではないことがわかりますが、メロディライン自体は聴きやすく充分に楽しめる作品に仕上がっています。

編成:ヴァイオリン×2、ヴィオラ×1、チェロ×1

初演:1814年5月ウィーン

シュパンツィヒ四重奏団

献呈先:フォン・ズメシュカル男爵(友人でありチェロ奏者)

 

【各楽章を解説】弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ(生き生きと速く)

ユニゾン(全楽器が同じ旋律で奏でる)で圧倒してくる始まりはインパクトが強く弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》の特徴のひとつ。音楽の勢いに押されるような大き波が押しては引いてを繰り返して留まるところを知りません。

たたみかける力強さは、最後には急激に衰えて消え入るように静かに終わってゆきますが、コントラストの強さにも印象深さがあります。

 

第2楽章 アレグレット・マ・ノン・トロッポ(速く、しかしあまり速すぎないように)

つぶやくようなチェロのため息から始まりますが、その後から展開していく穏やかな音楽は弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》のオアシスのよう…。どこか儚(はかな)げであり足取りの重さも感られますが、そこはかとない無気力な感覚は後の世に表れる無調音楽にも通じるイメージです。

 

第3楽章 アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ(極めて速く活発にしかし厳格に)

「セリオーソ」と発想表示のある第3楽章は弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》をもっとも象徴しているといえます。しかし、解説にあるようにベートーヴェン自身は「セリオーソ」のイメージを全曲に対して与えるつもりだったようです。第3楽章のみでなく「厳格さ(セリオーソ)」は全曲を通しての傾向といえますが第3楽章が中心的な役割をしているといえるでしょう。

 

第4楽章 ラルゲット・エスプレッシーヴォ -|アレグロ・アジタート | アレグロ

暗く打ち沈むように始まりますが、再び熱を帯びます。悲劇的色彩の音楽はしばらく続きますが、最後は明るい基調へと変化して華々しく弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》を終えていくのです。

 

【名盤3選の感想と解説】弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》

 

ブダペスト弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ブダペスト弦楽四重奏団の特性がいかんなく発揮された名盤です。どこか突き放したような冷たさがありますが、強い求道心の表れなのでしょう。しかし、弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》にはこれくらいの芯の強さがあるほうが鬼気迫る感覚でいい。

残響の少なさがぶっきらぼうな印象ですが、曲自体の「厳格」な性格にはむしろ合うといえます。

 

スメタナ弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

高い集中力の中にスメタナ弦楽四重奏団のたおやかな美感が漂っていて好感度の高い名盤です。「厳格さ」からは少し離れますが、曲全体としての聴きやすさという点で優れています。

冒頭から最後まで歌う「厳格」四重奏曲といった風情で、親しみやすく聴ける「厳格」といえそうです。

 

アルバンベルク弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

精緻なアンサンブルから繰り出される熱情は、弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》の構造美を再確認させてくれます。ブダペスト弦楽四重奏団の録音に響きを足しながら「求道心」を加味している印象の名盤です。

感情のこもらないメカニカルな印象が、ほんの少しの近寄りがたさを感じますが、弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》の本来の美感にはこれくらいの、まさに「厳格さ」があっていいのかもしれません。

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【まとめ】弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

厳粛、真剣

緊張感…

内面の美、鳴る♫

 

深刻な曲風がベートーヴェンらしい「厳格」な弦楽四重奏曲第11番《セリオーソ》。ベートーヴェンの音楽の持つ深い哲学性の部分が味わえる名曲でもあります。

ぜひ、一度、聴いてみてくださいね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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