とこしえ
こんこん
あふれる…泉♫
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ふと気づくと始まって…
気づくと消え入り終わりゆく…
さて、今回は、「あまりにも自然な流れの優しいハーモニー」モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番の解説とおすすめ名盤を紹介です。
- 【解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
- 【各楽章を解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
- 【名盤2選の感想と解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
- 【まとめ】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
【解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》についてのモーツァルト自身の書いたこんな手紙があります。
私のもっとも親愛なる友人よ、これが取りも直さず、私の六人の息子です。(中略)今後私はこの子たちに対する一切の権利を、あなたにお譲りいたします。それゆえ、父の贔屓目(ひいきめ)が見のがしたかも知れない過ちを、大目に見てやって下さり、そんな過ちがありましても、あなたの寛大な友情をこんなに大事に思っている私に対して、その友情をいつまでもつづけてお持ち下さるよう、お願いいたします。
出典:柴田治三郎 著「モーツァルトの手紙」(下巻)P115より引用
モーツァルトの弦楽四重奏曲の第14番から19番までの6曲は「ハイドン・セット」と呼ばれていて、どれも素晴らしい曲ですね。
「ハイドン・セット」の6曲は、有名な作曲家のハイドンに献呈されたためにこの呼名があります。
この手紙の内容をみますと、モーツァルトのハイドンへの大きな尊敬の思いが伝わってきますね。
《弦楽四重奏曲第18番》はモーツァルトその6曲の名作弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」の中でももっとも自然な流れを持った1曲です。
かのベートーヴェンもこよなく愛し、《弦楽四重奏曲第18番》の第4楽章を自ら写譜しています。
これはベートーヴェン自身の弦楽四重奏曲第1番(ベートーヴェンにとっての1番目の弦楽四重奏曲ということではありません)を作曲する際の研究として行ったようです。
音楽の流れがとても美しく…
- あまりにも自然で…
- あまりにも優しく…
それゆえに
- あまりにもモーツァルトらしい…
そんな名曲弦楽四重奏曲なのですね。
【各楽章を解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
それでは、各楽章について解説します。
モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。
第1楽章 アレグロ(速く)
こんこん…
こんこん…
あふれる泉…
まるで、アレグロ
アンダンテ…
そう、速度表記としては《アレグロ(速く)》なのですが、実際はもう少しゆったりしたアンダンテっぽいアレグロですよね。
なんだかそれは、すごくモーツァルトっぽい優しい雰囲気でいっぱい…。
さあ、あの気難しいベートーヴェンが好んだモーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》の始まりです。
…おっと、本来はベートーヴェンは人付き合い大好きな紳士だったのでした。
ベートーヴェンが人を避けたのは耳がよく聞こえないことのバレないためにしたこと…。
失礼しました…。
第2楽章 メヌエット:トリオ(踊るように)
その泉は光を集めて踊ります。
それは決して華々しいものではありません。
ゆったり優雅に楽しげに…。
ふわりふわりと舞うように…。
うれしい気持ちで微笑んで…。
第3楽章 アンダンテ(歩く速さで)
全4楽章の中で、もっとも長い時を楽しく過ごすアンダンテ楽章です。
ある意味モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》の軸になっているようにも感じます。
まるで「気持ちのいい休日の、やわらかい午後の光」のような感覚。
途中に少し陰影を持たせた展開を見せながら彩りを見せていきますし、それもまた淡々とした流れの印象的なところと言えます。
そして、まもなく再びやわらかくも思いやりに満ちた曲調へと流れて展開し変転して歌は続き、そして、終えていきます。
第4楽章 アレグロ(速く)
春のひなたの暖かさのような楽章です。
- 柔らかく…
- 朗らかで…
- まるで淀(よど)むことがない…
そんな静かな楽しみと喜びが心の底から湧いてくる。
そんな優しく響くモーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》のフィナーレを飾るキラキラ光る珠玉の楽章です。
【名盤2選の感想と解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
ウィーン弦楽四重奏団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》の「木洩れ日のような優しさと微笑みがあふれる曲」にはピッタリの名盤ですね。
たゆたう波に浮かぶ小舟が、ゆらりゆらりと気持ちよく遊んでいるような雰囲気を持って楽しく歌う弦楽器の妙…。
ハイドン・セットの中では少し地味なイメージの《弦楽四重奏曲第18番》ですが、こんな名盤で聴いたらきっと忘れられない1曲となることでしょう。
イタリア弦楽四重奏団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
少し早めのテンポをとって「飾り立てない楚々とした趣きのある演奏をした清らかな名盤」です。
ウィーン弦楽四重奏団の比べますと、楽天的な喜びに満ちているように感じます。
ここに閉じ込められた光は「木洩れ日」というよりは「輝かしい光」というイメージですね。
モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》から「弾む喜び、楽しみ」を感じたい時に聴きたい名盤です。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番
さて、モーツァルト《弦楽四重奏曲第18番》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- あまりにも自然で…
- あまりにも優しく…
それゆえに
- あまりにもモーツァルトらしい…
そんな魅力の詰まった《弦楽四重奏曲第18番》はどんな季節に聴いたとしても、気持ちのいい光あふれる「春」を思い出しますね。
さあ、モーツァルトの降ろしてくれた「優しい木洩れ日のようなひかり」を存分に浴びましょう。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。