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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ブラームス:ピアノ五重奏曲【解説と名盤3選】重なり合う旋律が作り出す調和の美

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重厚感と渋み

サロンでも響く

交響的室内楽

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友人の意見を聞きながら書き直し…

繰り返すうちに磨かれていった室内楽の名曲。

今回は、ブラームス:ピアノ五重奏曲解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】ブラームス:ピアノ五重奏曲

これはまず1862年に、チェロ2挺の弦楽五重奏曲として作曲された。ところが親友のヨアヒムが響きの具合について感心せず、ブラームス自身も弦の表現に問題があると考えて、一転して2台のピアノのためのソナタに改作する。そしてその形では初演(1864年)まで行なわれたが、今度はクララ・シューマンから2台ピアノは不適切という鶴の一声が入ったためまたしても書き直しが行なわれ、1864年秋にようやくピアノ五重奏曲に落ち着いたのだった。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P146より引用

解説にありますように、もともとは弦楽五重奏曲として作曲されながら2台のピアノのためのソナタへ改作、後に現在のピアノ五重奏曲として完成します。ブラームスらしく友人の意見を聞きながら積極的に取り入れて作品を良いものにしていこうとの気持ちが伝わってきます

2度の大幅な改作が行われながらも、始めからピアノ五重奏曲として構想されたかのような完成度と自然体な印象があるところは驚きです。ブラームスの似たような編成の曲ではクラリネット五重奏曲がありますが、どちらの曲もブラームスを代表するような名曲室内楽といえます。

初演:1866年6月22日ライプツィヒ音楽院にて

編成:ピアノ独奏、ヴァイオリン×2、ヴィオラ×1、チェロ×1

【各楽章を解説】ブラームス:ピアノ五重奏曲

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ(速く、しかしあまり速すぎないように)

主題が静かに歌い始め急にピアノが速度を上げて飛び出すと、それに倣うように他の弦楽器も続きます。曲は強い感情を発しながら力を帯びていきます

熱を加えた曲調は悲劇的な思いを深めていきながら流れ、流れ、流れて止まることがありません。多様な感情を込めながら5つの楽器たちが悲しみを歌います

時に静かに時に熱情を込めて展開しながら、最後は再び静けさを取り戻したかと思いきや雄叫びを上げて終わります。

第2楽章 アンダンテ:ウン・ポコ・アダージョ(歩く速さ:アダージョよりやや速く)

テンポを下げて、静かにゆれる波のような調和に満ちています。叙情的でありながらどことなく寂しげな雰囲気を持ちこんできます。よい香りのただよう秋の夕暮れのような優しい楽章です。

第3楽章 スケルツォ: アレグロ(快活に速く)

タン、タン、タン、タン…とリズムを刻みながら楽器が歌います。時に楽しく、時に激しく、音楽は豊かに表情を変えながら軽快に展開する元気のいい楽章です。

第4楽章 フィナーレ: ポコ・ソステヌート、アレグロ・ノン・トロッポ、プレスト、ノン・トロッポ

静けさを帯びながら幻想的な序奏が始まります。互いを思いやりながらそっと楽器たちが音を重ねていきます。するとテンポは速まり内に秘めていた情感を流し始めます。

気持ちは高まりを見せながら、時に優美に、時に悲しみ、時に微笑しながらも音楽は温度を上げていき劇的にピアノ五重奏曲を終えていきます

【名盤3選の感想と解説】ブラームス:ピアノ五重奏曲

マウリツィオ・ポリーニ:ピアノ イタリア弦楽四重奏団 

マウリツィオ・ポリーニ, ヨハネス・ブラームス & イタリア弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

イタリア人演奏家で録音された明るめ基調のブラームスです。全体的に丁寧に織りなしていくスタイルですがブラームスの音楽の持つリリシズム(叙情性)がよく表れています

ブラームスの音楽としては重厚さに欠けるといえなくはありませんが誠実に演奏を紡いでいくスタイルで好感が持てます。ポリーニの室内楽の録音が珍しいということからも貴重といえます。

 

アンドレ・プレヴィン:ピアノ ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

しなやかな流れが心地いい優美さが魅力の名盤です。ピアニストとしての経験も豊富なプレヴィンがウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団と名盤を残しました、ウィーンの伝統を大切にしながら現代性を加えた特質が好ましいです。

渋みや重厚さを全面に出してくるわけではありませんが、ブラームスの叙情的な響きも失わないバランスのとれた名盤です。 

 

スヴァトスラフ・リヒテル:ピアノ ボロディン弦楽四重奏団 

スヴャトスラフ・リヒテル, ボロディン弦楽四重奏団 & Bolshoi Theatre Quartet

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アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

才気煥発、エネルギッシュで壮大な演奏を展開するリヒテルを重厚感をもって支えるボロディン弦楽四重奏団のコンビの名盤です。モノラル録音で音が平面的であることが残念ではありますが録音当時の熱気がしっかり伝わってきてうれしい。

第1楽章に込められた情念や第4楽章の巨匠然として堂々とした演奏が特に驚異的です。ラストの盛り上がりは手に汗を握ります。

 

【まとめ】ブラームス:ピアノ五重奏曲

ブラームス:ピアノ五重奏曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

重厚感と渋み

サロンでも響く

交響的室内楽

ブラームスと聞くと、交響曲や管弦楽が印象深いですが室内楽の名曲も多いです。まるで交響曲のような厚みも感じるピアノ五重奏曲もぜひ聴いてみてくださいね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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