アルパカと聴く幸福なクラシック

幸福なひとときを与えてくれる、クラシック音楽との出会い

モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」名盤CD(前編)【素朴で清らかな微笑み】

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雨が止んだあとに雲のすき間に差す光のような、やさしい風景が想像できる。そんな印象のメロディの美しさですね。


聖なる母、マリア様、どうか私たちのためにお祈りください/ Ton Koopman

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

よく晴れた気持ちのいい日、とくに目的もなく、町をてくてくと歩いていて、すれ違うのは、赤ちゃんとお母さん。
お母さんは、赤ちゃんを一生懸命あやします。
そして、それに答えるように、
赤ちゃんは、「ばあ、ぶう。」「けらけら。」と声をたてて満面の笑顔。
それは、まさしく天使のほほえみ。
そんな風景に出会ったときに、ふと聴きたくなるのがこのモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」ですね。
とくに、その何曲かある中の【聖母マリア様、どうか私たちのためにお祈りください】という1曲は、心がふさいでしまったときなどに、ふわっとやさしい光を投げかけてくれます。

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1.モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」の解説

こんな解説があります。

妻を失ったモンテヴェルディの生活は、主君ヴィンチェンツォ一世の気紛れな性格によって、さらに暗くなってゆきました。マントヴァ宮廷を去る決心を固めかけた時に、この記念すべき宗教作品が誕生いたしました。1610年のころ、彼が新しい仕事を求めてローマにおもむいたおり、この晩課曲(晩課とは、夕べの祈りのこと)はもう一曲のミサ曲とともに、ローマ教皇パウルス5世に献上されたのです。その後に就任したヴェネツィア・サン・マルコ大聖堂楽長の役柄からしても、モンテヴェルディはミサ曲モテトゥス、詩篇曲、自由な宗教詩によるイタリア語作品など、かなりの数の宗教音楽を作曲していますが、このマリア被昇天の祝日(8月15日)の晩課(夕べの祈り)のための音楽は、そのスケールの大きさ、内容の充実の点で際立ってすぐれています 。

出典:皆川達夫 著 「バロック名曲名盤100」より引用

2.【聖母マリア様、私たちのために祈ってください】の感想

では、モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べのための祈り(晩課)」のうち【聖母マリア様、どうか私たちのためにお祈りください】という1曲についての感想です。

テンポや、おもむきを変えながら、「聖母マリア様、どうか私たちのためにお祈りください」という言葉が11回くりかえされながら、歌い進められていくという、いたってシンプルなつくりの1曲です。
そして、きっとその素朴さがよいのでしょう。
たんたんと刻まれるリズムにのって必要最低限のシンプルに編成された合奏と、少人数の合唱がこの名曲を引き立てます。
この後、名盤も紹介しますが、心の底のほうまで、気持ちを明るくしてくれる感覚です。
冒頭でも書きましたように、「雨が止んだあとに雲のすき間に差す光」を感じたときのうれしさを思い出します。また、赤ちゃんが、安心してお母さんに全てを託して、笑ってる。
そんなイメージでしょうか。

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3.モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」の2枚の名盤を紹介

この曲を初めて聴いたときは、17世紀という古い時代に、こんなにも人の感性にやさしく語りかけてくる音楽が、存在していたのかという驚きでした。
巨大で、豪勢な教会をみて、圧倒されることは、ありますが、このモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」は静かな郊外にひっそりとたたずむ、こじんまりとして、毎日のお掃除もかかさない、そんな心地よい教会のイメージですかね。
この曲は「豪華さ」では、ごまかすことができないある面での演奏の難しさがありそうですよね。
そんな中、見事に「『心地よい教会のイメージ』にみちた名盤」を2枚を紹介したいと思います。

3-1.アンドリュー・パロット:指揮&タヴァナー・プレイヤーズ

 ソプラノ(女声のもっとも高い音域)のエマ・カークビーの声のかわいらしさがこのアルバムのルクス(明るさ)をいちだんと上げることに成功しているように思います。
また、エマ・カークビーはビブラート(意識的に声をふるわすこと)を使いません。ただ、みずからの声を飾ることなく、純粋に歌い上げるのです。
この「可愛らしさ」こそ、このアルバムが名盤であるということを証明していると言えますよね。
バックの演奏も、モンテヴェルディがおそらく目指したであろう素朴で清らかな表現を実現していますよね。これも「名盤」の「名盤」たるゆえんです。

3-2.ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

これほど一般の評価が高く、理想的な演奏の名盤も珍しいかもしれませんね。
その理由はこうです。
指揮者のジョン・エリオット・ガーディナーは幼少の頃から聖歌隊で歌い、15歳を迎える頃には聖歌隊の指揮者をしています。
また、ケンブリッジ大学に在学中、このモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」の演奏を聴き、痛く感動したらしく、自分で「モンテヴェルディ合唱団」なる団体を設立して、モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」を演奏して広めます。
本来、ケンブリッジ大学では、歴史学とアラビア語を専攻していたにもかかわらず、その学問の修得とともに、音楽も精力的に学びます。
その後、指揮者としてデビューするわけですが、つねにジョン・エリオット・ガーディナーの音楽の原点にはモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」があると言われていますね。

以上、「2枚の名盤」と言えるアルバムの紹介でした。

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まとめ

さて、いかがでしたか?
モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り(晩課)」の名盤を聴くことで、素朴でシンプルな心に立ち返って、日ごろの焦る心や、つかれた体を癒やしてみませんか?

↓この記事には「後編」があります。よろしかったら、こちらもお訪ねください♬

モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り『めでたし海の星』(晩課)」名盤CD(後編)【素朴で静かな祈りのとき】

そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる

      それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。