憂うつな気分は
この1曲で吹き飛ばそう!
次の一歩を踏み出す時に聴きたい♫
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人生の絶望期のチャイコフスキー。
イタリアの空気と風景に感動したチャイコフスキーの豊かな感性が爆発!!
名曲誕生につながりました。
そんなチャイコフスキー:イタリア奇想曲、解説とおすすめ名盤を紹介です。
- 【解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
- 【各楽章を解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
- 【3枚の名盤の感想と解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
- 【解説と名盤、まとめ】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
【解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
奇想曲とはイタリア語:ではcapriccio(カプリッチョ)。
「気まぐれ」と言う意味です。
あなたが落ち込んだときなどは次のどんな選択肢をとりますか?
- きまぐれに旅に出る
- きまぐれにおいしいものを食べる
- きまぐれに、ふて寝もあり…かも
そんな時、チャイコフスキーはというと、どうやら「旅に出る」を選択したようです。
そして、チャイコフスキー:イタリア奇想曲の作曲背景もわかる、こんな解説があります。
チャイコフスキーは、ローマ滞在中に耳にした旋律や知った民謡集や接した踊りなどからヒントをえて、この曲を書いた。
たとえば最初にでてくる金管楽器による華やかなファンファーレは、チャイコフスキーが滞在していたホテルのそばにあったイタリア近衛騎兵隊のラッパ手が毎日夕方に吹くメロディから思いついたものだといわれている。
また、曲の後半は、イタリア人の底ぬけに陽気なタランテラの踊りを想わせる。
出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」P102より引用
さて、解説にありましたチャイコフスキーのローマ滞在にはどんな意味があったのでしょうか?
実はこの前に、チャイコフスキーは精神的な打撃を受けてノイローゼに悩んでいました。
37歳で結婚したもののチャイコフスキーの芸術を、まったく理解しない妻との生活がたった3ヶ月で破綻したためでした。
この精神的な落ち込みを回復するべくチャイコフスキーは弟とともにローマへの旅行へ出発します。
フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリなどを経たのちローマへたどり着きますが、各地で聴いた民謡や、踊りなどから刺激を受けて曲作りを再開します。
またイタリア人の「人生をおおらかに楽しむ生き方」を見た影響もあり、ノイローゼの症状は和らいでいったのでした。
【各楽章を解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
それでは、各部について解説します。
チャイコフスキー:イタリア奇想曲は単発の曲ではありますが、第1部から第5部に分けた構成になっています。
第1部 アンダンテ・ウン・ポコ・ルバート(歩く速さ、少し自由な速さで…)
冒頭のファンファーレは、イタリア王室の騎兵隊が鳴らすラッパの音をモチーフにしています。
コルネットとトランペットの勇壮な響きはこの後の音楽のドラマティックな展開を想像させてくれます。
音楽が進むうちに勇ましく展開していきます。
第2部 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)
その後、
タンタカタッタ!
タンタカタッタ!
タンタカタッタ!
というリズムとともに、チャイコフスキー特有の美しい歌が奏でられ始めます。
歌うように響きそして、変幻自在に変奏されながら奏でられていきます。
そのメロディは、まばゆいばかりの
- なめらかさ
- たおやかさ
- 力強さ
さまざまな良い要素の響きが内包されてます。
第3部 プレスト(きわめて速く)
さらに、イタリアの舞曲、タランテラ(毒蜘蛛の意味)の踊るようなノリがよいリズムになっていきます。
暗い曲調ではありますが、ある瞬間、いきなり明るいものに変わり、さまざまな楽器も加わり、盛り上がっていきます。
第4部 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)
いきなり、音楽が足早に、そして、
楽しげに…
嬉しげに…
ワクワクして、壮快な展開へと変わり始めます!
チャイコフスキー:イタリア奇想曲のひとつの聴きどころと言っていいでしょう!!
でも、再び、音楽は憂いをおびてきます… 。
第5部 プレスト(きわめて速く) :ピウ・プレスト(いっそう速く):プレスティッシモ(プレストよりやや速く)
再び、イタリアの舞曲、タランテラが再現されます。
この後、イタリア旅行で吸収した音楽の集大成とも言えるさまざまな音楽が現れてきて力強さを増していきます。
そして、さらに音楽は最高潮に興奮状態にまで高まりクライマックスを迎えるのです!!
【3枚の名盤の感想と解説】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ユージン・オーマンディ:指揮 フィラデルフィア管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
メリハリ効いたビタミン注入、元気系の名盤!!
曲の持つイアリア人気質な部分が、がそのまま音楽として昇華したようなイメージの感想です。
もちろん勢いのみではありません。
その音の美しさには定評のあるフィラデルフィア管弦楽団と、その良質な音楽を最大限に引き出したオーマンディの魔法の指揮棒が冴え渡る名盤♫
チャイコフスキー:イタリア奇想曲のようなスカッと明るい曲にはピッタリですね。
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
繊細で美しい ベルリン・フィルの響きと、テンポ早めの演奏でスッキリまとめられたスマート系の名盤。
勢いよく、また、華々しく展開するのもいいのですが、まれに見るメロディメーカーのチャイコフスキー本来の美感をこれほど引き出した名盤も珍しいですね。
しっかり元気系な演奏とは少し離れますが、こんなキレイに流れるような名盤も悪くないという感想です。
アンタル・ドラティ:指揮 デトロイト交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
シャープでキレよくまとめていながら、おおらかで、のびやかな演奏の名盤です。
スピード感や華やかさには少し欠けるところもありますが、チャイコフスキーの持つロシア的な「美しい歌」がよく歌いこまれているように感じます。
勢いや技巧というよりは、自在に緩急をつけた、ワクワクして楽しい雰囲気の名盤ですね。
【解説と名盤、まとめ】チャイコフスキー:イタリア奇想曲
さて、チャイコフスキー:イタリア奇想曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 最近、イマイチ元気が出ない…。
- 何をするにもおっくう…。
- 仕事がはかどらない…。
そんな時の元気の取り戻し方は…
- おいしい物を食べる!
- ぞんぶんに寝る!
そして、
- 音楽を聴く♫
ですね。
そして、そのひとつの選択肢が、美しくて、しかも、勇ましいチャイコフスキー:イタリア奇想曲ですね!
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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