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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ブラームス:チェロソナタ第1番|2番【解説と名盤3選】

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深みの1番

技巧の2番

コクのあるチェロの名曲

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深みのあるコクとロマンティックなチェロの響き、魅力引き出す名人ブラームス!

今回は、ブラームスチェロソナタ第1番|2番解説とおすすめ名盤を紹介です。

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【解説】ブラームス:チェロソナタ第1番|2番

ブラームスの場合は、低音楽器のあつかい方がうまく、ことにチェロのパートは、さまざまな曲で大活躍している。たとえば「ピアノ協奏曲第2番」の第3楽章ではソロで用いたり、弦楽六重奏では、チェロを2挺も使っているのである。ブラームスは、こくのあるロマンティックな響きが魅力の、このチェロという楽器のために、2曲のチェロ・ソナタを作曲した。 「第1番」は1865年(32歳)、「第2番」は1886年(53歳)に書きあげられた。

出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P260より引用

根が優しく、感性が豊かであるがゆえに時に精神の奥深くへと沈潜して考えを突き詰めてしまうブラームス。解説にありますが、チェロが醸す「こくのあるロマンティックな響き」はよほどブラームスの美的感覚に訴えるものがあったのかもしれません。

第1番は1865年の夏に完成していますが、その直前の同年2月にブラームスは母を亡くしています。憂愁の上着にまとわれて寒さをしのぐような曲調からは母への哀惜の想いが伝わってくるようです。同じ時期に有名な「ドイツ・レクイエム」を作曲中であったことも影響している可能性は考えられます。

第2番は第1番から20年以上経ってから作曲されただけあってブラームスらしくチェロのから放たれるびのびとした歌が聴き取れます。人気からいえば第2番の方が上ですが、第1番のほの暗い精神の底から絞り出すように語りかけてくるチェロの魅力も佳いものです。

【各楽章を解説】ブラームス:チェロソナタ第1番|2番

チェロソナタ 第1番

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ

重々しく沈む空気感が印象的な楽章です。30代の始めころのブラームスの精神的葛藤の深さを見るようです。常にチェロの重厚な歌にピアノがうなづきながら応じているような印象です。

第2楽章 アレグレット・クワジ・メヌエット

第2楽章にゆっくりしたテンポの曲が入らずに憂いを秘めながらの三拍子、まるで涙をこらえて舞うダンスのようなメヌエットです。チェロソナタ第1番において、ある意味で特徴的な楽章といえます。

第3楽章 アレグロ

第3楽章はブラームスの熱情が曲に表れているような雰囲気です。どこまでも哀しみを突き詰めながら美しさを失わないバランス感覚こそブラームスの魅力。チェロソナタ第1番のフィナーレに相応しいドラマティックな楽章です。

チェロソナタ 第2番

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

力強く前へ前へと押し出してくるような始まりで、とても明るく勇ましい曲調です。途中で勇ましさが鳴りをひそめ調和的で柔らかい印象の曲調へと変化しますが、最後は再び勢いを増していき感動的に楽章を閉じていきます。

第2楽章 アダージョ・アフェットゥオーソ

ピチカートで響くチェロと、ピアノで始まる特徴的な楽章でたびたびピチカートが表れます。曲調としては静けさに覆われた瞑想的な安心感が漂います。全体として柔らかい印象の楽章になります。

第3楽章 アダージョ・アフェットゥオーソ

情熱を帯びた深い悲しみが駆け抜けます。チェロとピアノが互いに影響し合いながら展開しますが、ひと時、安らぎの時を経て再び熱さをともなっていきます。

第4楽章 アレグロ・モルト

第3楽章で高まった緊張感が去り、再び第1楽章のような明るくて調和的で可愛らしくもある曲調になります。ピアノが歌いながらチェロがピチカートで伴奏するあたりも聴きどころ。美しい旋律の宝庫のようなチェロソナタ第2番は優しい余韻を残して終わっていきます

【名盤3選の感想と解説】ブラームス:チェロソナタ第1番|2番

 

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ:チェロ 
ルドルフ・ゼルキン:ピアノ
 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

スケールが大きく重厚なロストロポーヴィチのチェロが、堅実なゼルキンのピアノと組んで録音された名盤。堂々としたすぎるチェロはブラームスのチェロソナタには合わないところです。しかしロストロポーヴィチはゼルキンのピアノとの調和を目指したためかとてもバランスのいいチェロでの主張を行っています

チェロとピアノがお互いを譲り合いながら、いかんなく個性が発揮された名演奏となっています。もちろんここぞという時のチェロをピアノが引き立て、ピアノをチェロが引き立てて実に爽快な息の合わせ方で心地いい。録音も鮮明なのもうれしい名盤です。

ミッシャ・マイスキー:チェロ 
パーヴェル・ギリロフ:ピアノ
 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

第1番における深く憂えるような曲を繊細な感性の発露で切々と歌い込めてくるマイスキーのチェロにグッと来る名盤です。第2番においても力強さの中にも上品な香りを失いません。

マイスキーの繊細さを知性的なピアノで支えながらバランスをとるギリロフも素晴らしい。決して感情をあおり立てることはなく、ブラームスの音楽の持つひとつひとつの繊細な音を大切にしながら紡ぎ出された名盤です。

ピエール・フルニエ:チェロ 
ヴィルヘルム・バックハウス:ピアノ
 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

冷静さのなかにも香りを漂わせた名盤で、折り目正しい端正なフルニエのチェロ。これに淡々とした表現の中から深い味わいを沸き立たせてくるバックハウスのピアノが素晴らしい。

モノラル録音で音質が少し残念なところですが、ブラームスの音楽の、深い部分まで沈潜した場所にある感性にまでたどり着いています。ことさら主張することなくどこまでも慈しみ深い表現に引き込まれる名盤です。

【まとめ】ブラームス:チェロソナタ第1番|2番

ブラームスチェロソナタの解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

深みの1番

技巧の2番

コクのあるチェロの名曲

ブラームスが好み、得意としたチェロを主役にした素晴らしい室内楽。寒い時期に家に引きこもりがちな時に聴くと胸の深いところにまで沁み込んできます。名曲なだけに室内楽にしてはアルバムの種類は多いですので、じっくり聴き比べてみるのも面白いものです。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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