アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ハイドン:交響曲 第101番《時計》第2楽章【解説とおすすめ名盤の感想】時計のリズムに心踊らせよう

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「第2楽章の『チク、タク。チク、タク。』と刻まれる時計の秒針のようなリズムからこの交響曲のことを「時計」と呼ぶことになったのですよね。」

ふだん何気なく空間をさまよう時計の針の音ですが、ふと耳をすませば、「『時』の奏でる音楽」に聴こえるかもしれませんし、時計と名付けた方(ハイドン自身が名付けたわけではありませんが)は少なくともそこに音楽を感じていたのではないでしょうか…。

私たちも時計の針の音を「ただの音」としてとらえるだけに終わらせず、楽しく語る時計の針のおはなしに耳をすましてもいいかもしれません。


ハイドン:交響曲 第101番《時計》:第2楽章

【解説】ハイドン:交響曲 第101番《時計》第2楽章

このような解説を見つけました。

 ハイドンは、音楽好きなニコラウス・エスターハージ侯の宮廷楽団の楽長を長くつとめていたがこのニコラウス侯が亡くなると、その楽団はただちに解散されてしまった。その時ハイドンは58歳。今ならば、ちょうど定年といったところである。
  しかし、ハイドンの真の芸術家としての輝かしい人生は、実にこの時からはじまったのであった。傑作ぞろいの晩年の交響曲、そして、「天地創造」と「四季」という2つのオラトリオの名作、「エルーデーディ四重奏曲」と俗称される6つの弦楽四重奏曲など、今日評価の高い作品は、みなこれ以降に書かれたものばかりなのである。
 この曲は、そうした晩年のハイドンの交響曲のなかの傑作の一つで、第2楽章で、ファゴットと弦があたかも時計の振り子のような単調なリズムを刻むので、「時計」と呼ばれるようになった。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」p23より引用

エスターハージ侯が亡くなったことによって立場を失うことは、現代で言えば、定年を間近にして会社が倒産してしまい、悲嘆にくれるサラリーマンの姿に近いかもしれません。

そんなテーマはドラマなどでも描かれますが、まさしくハイドンもこんな状況だったのでしょうか。

それでもハイドンはその後の人生で傑作をたくさん生み出したということは、憂き目を味わって右往左往しているサラリーマンに勇気を与えますよね。

また、ハイドンはこのエスターハージ侯が存命中に「ソナタ形式」「交響曲」「弦楽四重奏曲」の型をつくりあげ、その後の音楽の華々しい歴史を支える基礎を固めましたよね。

そんな一生懸命な頑張りを継続していたことが、その後の素晴らしい創作活動につながったのではないかなと想像したりします。 

さて、では、この曲について書いていきますね。 

【各楽章を解説】ハイドン:交響曲 第101番《時計》第2楽章

この曲は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

それでは、各楽章について解説したいと思います。

第1楽章:アダージョープレスト(ゆるやかにーきわめて速く)

少し暗めな夜更けのイメージからこの曲が始まりますね。

でも、その後、そんな始まりからは想像も出来ないような、勇壮で朗らかなメロディが表れてきてノリノリです!

はずむ気持ちで、音楽に耳をかたむけたいですね♫

第2楽章:アンダンテ(歩く速さで)

冒頭でも説明しましたが、この第2楽章の「チク、タク。チク、タク。チク、タク。」と刻まれる時計の秒針のようなリズムからこの交響曲のことを「時計」と呼ぶことになったのですよね。

この曲を聴くとアルパカが、ふと思い出すのがラヴェル作曲の「ボレロ」。

同じメロディを時を重ねるごとに新たな楽器が仲間に加わっていって、最後は大団円!
そんな音楽です。

そして、今回のハイドンの曲はラヴェルの「ボレロ」のような派手さはないもののリズムを打ち続ける楽器たちが、じょじょにバトンタッチしていく感じで、たんたんと音楽が運ばれていくところがラヴェル的ですね。

(というか、ラヴェルが「ハイドン的」と言ったほうが正確ですかね。なぜなら、ラヴェルのほうがハイドンよりあとの時代のひとなのですから…(;´∀`))

そんな感じで、つまり、時の流れとともに移り変わる、まるで日本の四季のような雰囲気をまとっている曲なのですよね。

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第3楽章:メヌエット・アレグレット(踊るように:やや速く)

三拍子であり、舞踏の要素があって勇ましいですよね。

聴きながら踊りだしたい気分です。

第 4 楽章:ファイナル・ヴィヴァーチェ(終曲・快速に)

草原をドタバタドタバタと駆け抜ける快活な馬たち。

疲れる気配をまったく見せずに、果てしなく広がる大地を駆け抜けていく。
そんな感じかな。

 

【名盤を解説】ハイドン:交響曲 第101番《時計》第2楽章

今回は印象的な第2楽章を重点をおいて聴いてみたいと思います。

ジェフリー・テイト:指揮 イギリス室内管弦楽団

ジェフリー・テイトの演奏は控えめで、楚々とした演奏が多いように思いますが、ハイドンの演奏はとても元気がいいですね。
そんな元気な中にも清らかな印象が含まれていていいのですね。
「チク、タク。チク、タク。チク、タク。」の第2楽章もよく動く、コンパクトでアクティブな腕時計という感じですね。

フランス・ブリュッヘン:指揮 18世紀オーケストラ

古楽器での演奏を中心に活躍していたブリュッヘンですが、このハイドンの時代の演奏の評価は高いようですよね。古楽器を使いながら全体のバランスも整っている感じでしょうか。

「チク、タク。チク、タク。チク、タク。」の第2楽章も悠情迫らぬ、ゆったりしたテンポで進められていて、時計でいうとどっしりと床におかれた古時計。

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【解説と名盤、まとめ】ハイドン:交響曲 第101番《時計》第2楽章

さて、ハイドン:交響曲第101番「時計」第2楽章、名盤の紹介と解説はいかがでしたか?  

あなたの耳にはどんな時計の音が聴こえて、どんな形の、また、どんな色の時計が浮かびましたか?

教えてくださるとうれしいです♫

そんなわけで、

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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こんな交響曲もいいものです。 

 

 

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