アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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クラシック音楽って【物語】

モーツァルト:交響曲第25番【解説と名盤5選|感想】打ち震える若き情感の息吹!

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若きモーツァルトの

暗き情念…

薄暗がりで、揺れ動く♫

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哀しみが、心を

 

  • 疾走し
  • かきむしり
  • 立ち上る…!

 

早熟天才、モーツァルトの、

音表現芸術!!

 

さて、今回は、映画《アマデウス》でも音楽家のサリエリが自殺を図る衝撃的な冒頭を飾った名曲

 

そして、若きモーツァルトの情念がうず巻く名曲でもある《交響曲第25番》解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト:交響曲第25番

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魅力や特徴と、その感想 

モーツァルト《交響曲第25番》のこんな解説があります。  

ここでは苦悩や熱狂を問題にしてもよいと思う。(中略)

この青春のシンフォニーは、晩年のあの有名な、もうひとつの『ト短調』(交響曲第40番)とともに引き合いに出された。だが、これら両者の評価には重要な相違があることを申し上げたい。もしそこに絶望や苦悩があるとすれば、前者(交響曲第25番)では作曲者がそれらを抑え、かろうじてヴェールで包んでいるのに反して、後者(交響曲第40番)では、完全に打ち克っている

出典:アンリ・ゲオン 著「モーツァルトとの散歩」p77より引用

この2曲のト短調交響曲は

と呼ばれますが、

 

では、文中にあった「交響曲第25番」の解説、

「絶望や苦悩」を「かろうじてヴェールに包んでいる」

とはどういうことなのでしょうか?

 

若き17歳のモーツァルトが、その多感な頃に現れる「絶望や苦悩」を音芸術へと表現するための必死の努力のあとのことを言っているのでしょうか?

 

また、晩年に作曲した交響曲第40番の解説である「絶望や苦悩」に「完全に打ち克っている」とは、どういう意味なのでしょう?

 

それはおそらく「絶望や苦悩」を

  • 真正面から、
  • 素直に、
  • そして、淡々と…

受け入れつつもこの上ない「美そのもの」にまでに昇華している…。

そんなさまを表現した言葉なのでしょうか?

 

どちらも同じ調性の「ト短調」をベースにして展開する交響曲…。

ナンバーが付けられた曲だけでも41番まであるモーツァルトの交響曲の中では短調の曲はこの2つしかありません。

 

しかもどちらも「ト短調」。

 

モーツァルトにとっての「ト短調」とは、「絶望や苦悩」をこの上なく美しい「天上のごときの美」にまで昇華させる…。

 

そのための言わば「魔法の杖」なのかも…と、思ってしまいます。

 

また、

交響曲第25番はある曲に影響を受けたのではないかと言われています。

それが、ハイドン《交響曲第39番》です。

共通点としては、

  • ト短調の曲である
  • ホルンが4本使用されている
  • 哀しみの情念が感じられる

ということが言われています。 

ハイドンのト短調交響曲(39番) はコチラで30秒間の試聴が出来ます。 

作曲の背景

1773年3月、父とともに行った3回目のイタリア旅行からザルツブルクに帰ってきたモーツァルトは1ヶ月半の間に4曲もの交響曲を作曲します。

この4曲は、旅行先であったイタリアの音楽的な影響を強く受けた曲となりました。

 

さらにその後、7月からはウィーンへ訪問し、その2ヶ月間の滞在の間に3曲の交響曲を作曲しますがそのうちの1曲が、この《交響曲第25番》でした。

この3曲(作曲順に28番、25番、29番)は早くもイタリアの音楽的影響から脱却してオーストリア的、17歳という若さにして独自の曲調が芽生えています

その意味からもモーツァルトの交響曲の中でも、とても重要な位置を占める曲のひとつと言えそうです。

【各楽章を解説】モーツァルト:交響曲第25番

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それでは、各楽章について解説します。

モーツァルト《交響曲第25番》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ(活気を持って、速く)

疾風怒濤(しっぷうどとう)」とは、「凄まじい風と荒れ狂う波」の意味。

その疾風怒濤の言葉がピッタリな第1楽章です。

 

また、同じころドイツで起こった文学運動も「疾風怒濤」と言いました。

個性の発露や独創性の重要さを主張し、展開した芸術運動が「疾風怒濤」です。

 

モーツァルトが《交響曲第25番》を作曲した際に影響を受けたハイドンの交響曲第39番もハイドンの「疾風怒涛期の交響曲」と言われてもいます。

 

まさしく、時代も…ハイドンも…そして、モーツァルト、さらにあらゆる芸術全般も疾風怒涛の…

  • 凄まじい風…
  • 荒れ狂う波…

飲み込まれ、あらがっていた時代!!

 

そんな背景までもが見えてくる激情の嵐…的な…名曲…。

それがモーツァルト《交響曲第25番》第1楽章なのです♫ 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

第1楽章の「激情」とは打って変わっての、ゆったりと歌う名曲です。

その歌の始まりは優しいヴァイオリンとほっこりした響きのファゴットの歌のデュエットが印象的な楽章です。

なんとも落ち着いたモーツァルト《交響曲第25番》の中の憩いの時と言えそうです。 

第3楽章 メヌエット(踊るように)

第1楽章の激しさに「重厚さ」が加わって展開するメヌエット楽章です。

何か大きな力を前におびえているような、それでいて堂々とした1曲です。 

第4楽章 アレグロ(速く)

第1楽章の激しさが再び戻ってきたような印象ですが、テンポが少しおとなしめです。

しかし、だからこそ静かに迫ってくるものを感じます。

第1楽章と第4楽章で展開する情感、情念がモーツァルト《交響曲第25番》の大きなひとつのテーマとなり、迫り、激動の渦(うず)を巻き起こす!!

そんな感動的な曲モーツァルト《交響曲第25番》のフィナーレです。 

【名盤5選の感想と解説】モーツァルト:交響曲第25番

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クリストファー・ホグウッド:指揮 エンシェント室内管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

古楽器を使用しているためか少しアッサリとしていて切迫感のは小さいかもしれません。

それでも、このなんとも不器用な古楽器の響き自体が若きモーツァルトの持つ不器用な情念のように聴こえてきてなんとも不思議…

聴いていて深刻には陥らずとも、透明感をともなった不安感や焦燥感が全体に満ちていて、ある意味面白い名盤です。

【名盤体験!アルパカ日記】

アルパカが人生で初めて体験したモーツァルト《交響曲第25番》でもあるホグウッド指揮の名盤

当時はレコードプレーヤーは持っていなかったし、CDなる存在は出現して間もない頃でCDは1枚4000円くらいしたかな…。

高校生のアルパカのお小遣いでは、そんな高価なものは買えないわけです。

そこで選択肢はひとつ…そう、カセットテープなのですね。

 

ホグウッドの名盤は、古楽器を使用した演奏も当時は珍しかったこともあり、聴いた瞬間、時空を超えるような未体験ゾーンに没入した感覚がありました。

 

今では、「サブスク型の音楽配信システムでクラシックを聴く」ことが珍しいことではなくなりました

CDの時代も古くなって行きそうなこの頃…ああ、この後、時代の流れについていけるのでしょうか…不安なアルパカなのでした。

ジェフリー・テイト:指揮 イギリス室内管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

優しい響きのテイト指揮、イギリス室内管弦楽団にしては第1楽章が少し速めのテンポの名盤です。

このことで、悲劇性が強めに出ていてとても効果的に感じます。

第2楽章では普段の優しさとホッコリ感が出ていて好感が持てます。

全体としては、第1楽章と第4楽章が比較的に速め、第2楽章と第3楽章が少し遅めというバランスで心地いい感じの名盤です。

レナード・バーンスタイン:指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の優美さと、指揮者レナード・バーンスタインの情熱が混じり合った名盤です。

感想としては、まさしく疾風怒濤とも言える荒れる海原のさまを思います。

青春時代に持つ特有の無謀さや危なっかしさで駆け抜ける!

しかし、それが美しい…。

そんなイメージの名盤です。 

カール・ベーム:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

風格…! 

それにともに漂う重厚感…!!

モーツァルト《交響曲第25番》はスピード感や若々しさを全面に出してフレッシュに演奏したものが感動的ですが、こんな上品な名盤も悪くない!

 

他と比べてテンポも遅めに取りながら、モーツァルト《交響曲第25番》に本来ある旋律の美しさや気高さのようなものがカール・ベームの音楽から流れ来たります。

 

モーツァルト《交響曲第25番》の持つ情念に流されすぎて溺れそうになった時には一度モーツァルトの本来の音楽性に立ち戻りませんか?

そんな時に聴く(効く)名盤にしてひとつの理想です。 

サー・ネヴィル・マリナー:指揮 アカデミー室内管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

映画《アマデウス》 のオープニング、モーツァルトを死に追いやった音楽家サリエリが「自ら死のう」とする際に流れるモーツァルト《交響曲第25番》。

なんともショッキングな映画の始まりでしたが、この映画《アマデウス》の音楽監督を務めたのがサー・ネヴィル・マリナーでした。

 

マリナーのモーツァルトはどんな時にも、

  • 優美で
  • たおやかで
  • 神々しい…

このモーツァルト《交響曲第25番》の演奏においてもその特徴にかげりはありません。

 

どこまでも高貴でありながらどこまでも微笑ましい、そんなモーツァルト演奏のひとつの理想の形を見せ、聴かせてくれますね。

悲劇的であれ、情念的であれ、どんな時にも優美である続ける、そんなマリナーによるモーツァルト《交響曲第25番》の名盤です。

 

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【まとめ】モーツァルト:交響曲第25番

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さて、モーツァルト《交響曲第25番》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

哀しみが、心を… 

  • 疾走し
  • かきむしり
  • 立ち上る…!

人にとっての哀しみは「年代によってその色彩を変えて」いきます。

 

もし出来るなら、自分の人生というものを、ずっと遠くの方から眺めてみたい。

それを眺めてみれば、それぞれの年代によって移り変わる「哀しみ」という名の「色彩のグラデーション」として眼に飛び込んでくることでしょう…。

 

モーツァルト《交響曲第25番》の色は何色をしているのでしょう…。

それは定かにはわかりません。

 

けれども、確かに言えることは、モーツァルトの人生のおける「青春期の哀しみ」あるいは苦しみや悩みが「美しさ」として昇華したものなのだと思います

 

あなたはモーツァルト《交響曲第25番》を聴いて、どう感じますか…? 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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《交響曲第25番》と同じころに書いた「明るい」ロココ調の交響曲 

 

 

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