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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ブラームス:大学祝典序曲【解説と名盤3選】さわやかに輝かしく鳴る祝典序曲

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祝典序曲♫

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名誉博士号の称号を与えられるブラームスの感謝の思いが全面にあふれるさわやか管弦楽曲

今回は、ブラームス大学祝典序曲解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】ブラームス:大学祝典序曲

「大学祝典序曲」は、ブラームスとしては珍しく、陽気で明るい曲となっている。この曲は、その前年、ドイツのブレスラウ大学から名誉博士号の称号を贈られたため、その返礼として作曲されたもので、ドイツの古い学生歌を取り入れた、若々しく喜びにみちた愉快な音楽である。

出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P107より引用

1877年、イギリスのケンブリッジ大学から音楽博士の称号を送りたいとの連絡を受けたブラームスでしたが、この称号を受けるためにはイギリスに赴かなくてはなりませんでした。「大の船嫌い」であることと「英語を話すことが苦手」なブラームスは称号の授与を断ってしまいました

2年後の1879年、今度はブレスラウ大学(現ヴロツワフ大学)から名誉博士号を授与したいとの打診を受けます。もともとはブレスラウ管弦楽協会の指揮者ショルツの推薦での名誉博士号の話でしたので、ブラームスは手紙を通じてショルツに相談します。大学には出向く必要がないとうことでしたので名誉博士号を受けることを承諾。

この際「大学側は音楽を作曲してもらいたい意思がある」ことを知り「大学祝典序曲」の作曲に取り掛かります。ブラームスは始め、厳かで鮮やかな曲を作曲することを考えていましたが、ゲッティンゲン大学で教鞭をとっていたころに知った「学生歌」を取り入れながら「明るく楽しい曲」に仕上げることに決めました。

余談ですが、ブラームスは「大学祝典序曲」を作曲中に「悲劇的序曲」も書き始めました。「大学祝典序曲」とは雰囲気の真逆な暗い曲です。ブラームスは「ちょっと違う曲も書きたくなったんだ」と語っていました。確かに「大学祝典序曲」は明るすぎて、ある意味ブラームスらしくないといえるかもしれません。ブラームスは「悲劇的序曲」のことを「スッペ風のポプリ(メドレー)」と評していたようです。

 

初演:1881年1月4日ブレスラウ大学にて

指揮:ブラームス自身

ブレスラウ・オーケストラ協会

編成:

弦5部、フルート×2、ピッコロ×1、オーボエ×2、クラリネット×2、ファゴット×2、コントラファゴット×1、ホルン×4、トランペット×3、トロンボーン×3、チューバ×1、ティンパニ×1、シンバル、トライアングル、バスドラム

 

【楽曲を解説】ブラームス:大学祝典序曲

「大学祝典序曲」は11分前後の1つの曲ですが、ブラームスが作曲する際に引用した4つの「学生歌」を参考にします

我らは堂々たる学び舎を建てた

Wir hatten gebauet ein stattliches Haus

ドッドド、ドッドド…♫

何かが始まるワクワクする予感とともに序奏が鳴り始めます。ティンパニのロールが始まるとさらなる盛り上がりに向かって行き、学生歌「我らは堂々たる学び舎を建てた」が奏でられていきます

元となった「学生歌」はミクロネシア連邦の国歌にも採用されました。

 

祖国の父

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勇ましい「大学祝典序曲」の中でも、この部分は流れるような旋律を弦と木管によって奏でていきます

 

あの山から来るのは何?

www.youtube.com(Was kommt dort von der Höhe?)

ポッポポポポポ〜ポ♫

ポポポポポ〜ポ♫

ポポポポポポポ

ポ〜ポ〜ポポポ…♫

ポッポポポポ〜♫

 

ファゴットが、軽快で楽しい旋律を歌いながら、その他の木管が絡むと、それにつれて弦も朗々と歌い始めます

1952年から1995年にかけて文化放送の「大学受験ラジオ講座」のテーマ曲に使われていたことで有名です。

 

さあ、楽しもう!

www.youtube.com(Gaudeamus igitur)

曲の最後の部分で鳴り響きます。ヨーロッパのいたるところで親しまれ歌われている旋律です

1. |: Gaudeamus igitur,
Juvenes dum sumus; :|
Post jucundam juventutem,
Post molestam senectutem
|: Nos habebit humus! :|


諸君、大いに楽しもうではないか。
私たちが若いうちに。
素晴らしい青春が過ぎた後、
苦難に満ちた老後の過ぎた後、
私たちはこの大地に帰するのだから!

ウィキペディアより引用

 

【名盤3選の感想と解説】ブラームス:大学祝典序曲

 

サー・ゲオルグ・ショルティ:指揮 シカゴ交響楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

しっかりと響き、重厚感のある金管や弦により元気な大学祝典序曲を作り上げた名盤です。快速な印象がありますが、演奏時間的には他の名盤と変わりはありません。そう感じさせるのはシャープでスマートに切り込んでいく演奏であることが効いているのかもしれません。

大学祝典序曲の持つ楽しい雰囲気が良く表われた演奏で聴いていてワクワクします。若々しくもたくましい名盤ともいえそうです。

 

ブルーノ・ワルター:指揮 コロンビア交響楽団 

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【名盤の解説】

柔らかく暖かい大学祝典序曲は指揮者ワルターとコロンビア交響楽団の独特のもの。弦の流れの優美な音楽作りからあふれ出る人間味も感じられる名盤です。演奏時間は意外と短く普通は演奏に11分前後かかるところを10分を切ります。

ワルターにしては意外と快速ではありますが、とても若々しさにも満ちていて、やさしく歌う木管と堂々とした金管や打楽器の重厚感でしっかり全体にバランスをとっています。録音自体が古いことが残念ではありますが心温まるブラームスといえそうです。

 

アンドレ・プレヴィン:指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 

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【名盤の解説】

キレが良く、格調の高い響きが楽しめる名盤です。ほとばしる知性とあたたかみのある情感との中間を行く印象で聴きやすい名盤です。どことなく厳格なたたずまいがあり、ある面で大学に向けての祝典的な印象がもっとも強い名盤といえるかもしれません。

折り目正しさも感じられて、さわやかな風のような爽快感のある名盤です。

 

【まとめ】ブラームス:大学祝典序曲

ブラームス大学祝典序曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

明るく楽しい!

ほがらかな

祝典序曲♫

学生歌から旋律を取りつつ、愉快で前向きな輝かしい曲が大学祝典序曲です。1日を始めるにあたって元気を注入したい時や勝負の時にガッツリとエネルギーを流し込んでくれる名曲。

ぜひ楽しんでみてくださいね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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