アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ラヴェル:夜のガスパール【解説と名盤3枚|感想】その美しさ「暗く沈んでおびえているか…?」

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透明で冷たい…

幻想的で耽美(たんび)的…

その音世界におぼれようか♫


オンディーヌ(水の精) 

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さて、今回は、妖(あや)しげで憂鬱な魅力でいっぱいのラヴェルのピアノ曲《夜のガスパール》解説とおすすめ名盤を紹介です。 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】 

 

【解説】ラヴェル:夜のガスパール

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ラヴェル《夜のガスパール》のもととなったフランスの詩人アロイジウス・ベルトランの同名の詩集から引用させていただきます。  

ちなみにオンディーヌとは、水を司る精霊のことです。

 

「オンディーヌ」

そしてオンディーヌは指輪を差し出した

この私に彼女の夫となるべく

水の宮殿で湖の王となるべく

 

しかし私は

限りある命の乙女を

愛していることを告げた

オンディーヌは

恨みがましく涙を流したかと思うと

嘲笑を私に浴びせかけた

そして水の中へと

帰っていった

オンディーヌのたてしぶきが

青硝子に白い跡を残した

引用元:アロイジウス・ベルトラン著(庄野健:訳)『夜のガスパール』より

なんと幻想的なポエムなことでしょう。

 

ラヴェルはこのベルトランの詩集《夜のガスパール》から3首のポエムを選んでピアノ曲へと昇華しました。

それが、

  • オンディーヌ
  • 絞首台
  • スカルボ

の3曲です。

 

いずれの曲もどことなく

  • 妖(あや)しくて
  • 憂鬱で
  • 耽美的…

そんな印象です。 

 

【各曲を解説】ラヴェル:夜のガスパール

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それでは、各曲について解説したいと思います。

ラヴェル:夜のガスパールは3曲で成り立っています。

第1曲 オンディーヌ

 詩の内容は解説しましたがオンディーヌは水の精ということです。

また《オンディーヌ》は、ラヴェルの「水三部作のひとつ」と呼ばれることがあります。

つまりその3曲とは、

  • 《水の戯れ》
  • 《洋上の小舟》
  • そして《オンディーヌ》

ですね。

どの曲も「水」の持つ透明感が美しく表現された名曲です。

聴き比べてみると《オンディーヌ》という曲を深く楽しむキッカケになると思います。

 

 

第2曲 絞首台

これは夜陰に吹きすさぶ北風か

それとも、吊るされた罪びとの溜(ため)息か

 

あるいは、吊るし木の足元をやさしく覆う

苔(コケ)と枯蔓(かれたつる)に隠れてなくこおろぎか

引用元:アロイジウス・ベルトラン著(庄野健:訳)『夜のガスパール』より

 

まるで鎮魂の鐘のような静かなピアノの音が刻まれて始まります

「絞首台」というタイトルからも想像できますが、なんとも

  • 薄暗く
  • 青白く
  • 不気味な感情

そのような世界を表現しているように感じられて不思議な魅力を放つのです。

そしてそれが妖しげな美しさに通じているところがもうひとつの魅力と言えましょう。

 

第3曲 スカルボ

スカルボとはいたずら好きな妖精のこと

詩人ベルトランのまわりを、いたずらっこのように不気味に駆けまわるスカルボの様子が描かれています。 

幾度となく私は見た、やつ、スカルボを

金の蜜蜂を縫いとった瀝青色(れきせいいろ)の旗印の

銀色の紋章のように月が輝く夜に

 

幾度となく聞いた

壁の暗がりでやつが漏らすあざけりの声を

ベッドのカーテンに爪をたてる音を

 

私は見た

やつが天井からするすると降りてきては

魔女の糸巻きさながら

一本足でくるくると部屋の中を踊りまわるのを

 

引用元:アロイジウス・ベルトラン著(庄野健:訳)『夜のガスパール』より

 

なんとも不思議な妖精であるスカルボのさまをラヴェルのメカニカルな美しさを放つ音楽のなかに表現された名曲が《夜のガスパール》のラストを飾ります。

詩の中の「瀝青色(れきせいいろ)」とはわかりにくいですが、アスファルトやコールタールのようなほとんど黒ともいえる深いグレーあるいはあい色の感じといえましょうか。

 

ともあれ、なんとも妖(あや)しげなイメージは最後まで消えることがない。

それがラヴェル:夜のガスパールの魅力となっています。 

 

【3枚の名盤の感想と解説】ラヴェル:夜のガスパール

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マルタ・アルゲリッチ:ピアノ

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

まさしく「オンディーヌ」 的ピアニストのアルゲリッチの名盤です。

「《夜のガスパール》という曲に魂が乗りうつってる」と言えそうな名盤でもあります。

妖(あや)しく艶(あで)やかにきらめいているピアノのいち音いち音が美しい…。

そんなラヴェルの美しさと技巧の世界を堪能したい時に聴きたい名盤です。 

 

モニク・アース:ピアノ

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

幻想的な魅力にあふれ、落ち着いた魅力もあるオンディーヌと言えそうなモニク・アースの名盤です。

アルゲリッチの華やかでまぶしいオンディーヌにはない「静けさと優しさ」が加わったひと味ちがったテイストです

技巧に走りすぎることなくどこかおっとりとした名盤です。

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サンソン・フランソワ:ピアノ

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

皮肉屋による斜に構えたようであり、またニクいオシャレ感も感じる名盤です。

まるでオンディーヌに求婚されて断った男のよう…

感情が動くことはなく、おもむろにタバコをくわえてオンディーヌが水中に去るさま眺めているを思います…。

瀝青色(れきせいいろ)の夜の中、透明な白い月あかりの妖艶さの支配する湖のほとり…。

オンディーヌが去ったあとの水面に描かれた、ゆがみひとつ無い真円…。

男は静かにタバコのけむりを虚空に浮かべる…。

そんなイメージの名盤です。 

 

【まとめ】ラヴェル:夜のガスパール

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さて、ラヴェル:夜のガスパールの解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

なんとも

  • 妖(あや)しくて
  • 憂うつで
  • 耽美的…

そんな魅力でいっぱいのラヴェルの名曲のひとつ。

さあ妖艶な世界に踏み入り、ほんのひととき幻想の世界で遊びましょう…。

 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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