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チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》【解説と名盤2選】

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小ロシア?

ホントは壮大

ステキな「民謡交響曲」

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チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》《第4楽章》

 

チャイコフスキーの交響曲の中では「地味な存在」…なのに、フタを開ければなんとも華やか!

 

素晴らしいチャイコフスキー節!

 

さて、今回は、ジミ〜な…いやいやとってもステキなチャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア

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チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》についてのこんな解説があります。  

FM対談

M:(チャイコフスキーの時代は)音楽的にはまだ西欧追従型の後進国だった。そんな時代に、第2(交響曲)ではウクライナ地方の民謡を使ったりして、民族主義的地方色を強く出している。当時としては、なかなか大胆なのです。

F:何故「小ロシア」っていうんですか?

M:ウクライナ地方のまたの名を小口シアというんですよ。独特の地方色をもった所で、ここの住民は小ロシア人とよばれているんです。音楽も盛んで、いわば民謡の宝庫ですね。

出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」P130より引用

上記の解説、対談にありますようにロシアの民謡が盛り込まれた交響曲で、とても親しみやすく初演の時から高い評価を得ていました。

 

副題の《小ロシア》の名付け親は音楽評論家のニコライ・カシュキン。

 

初演の後、気を良くしたチャイコフスキーは改訂を加えることで、交響曲第2番《小ロシア》という楽曲は磨かれ生まれ変わります。

第1楽章のほとんどの部分を、そして第3楽章も変更しながらの改訂でした。

 

有名なロシア5人組(バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー=コルサコフ)からの評価も高かったのですが、現在に至っても演奏機会が少ないというのが不思議なところです。

 

【各楽章を解説】チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》

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それでは、各楽章について解説します。

 

チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 アンダンテ・ソステヌート:アレグロ・ヴィーヴォ:モルト・メノ・モッソ

ウクライナ民謡である《母なるヴォルガの畔で》のメロディや、リムスキー=コルサコフ作曲の《ロシアの復活祭》からのメロディが編曲され引用されています。

チャイコフスキーらしく、ロシアの民謡の要素をふんだんに取り込みながら力強く展開するドラマティックな楽章です。

 

第2楽章 アンダンティーノ・マルツィアーレ:クワジ・モデラート

第2楽章もなんともチャイコフスキー節。

こちらは気持ちが高揚してくるマーチ風の1曲です。

チャイコフスキーが楽譜を破り捨ててしまったという幻のオペラ《ウンディーナ》の第3幕に現れる「結婚行進曲」の転用になります。

なんとも幸福感に満ちた「楽しくもノリがいい楽曲」に仕上がっています。

演奏される機会が少ない交響曲第2番《小ロシア》の中では、もっとも楽想が素晴らしく印象の残る1曲と言えそうです。

民謡の引用としては《回れ私の糸車》が使用されています。

 

第3楽章 スケルツォ:アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ(快活に:非常に早く)

民謡からの引用はありませんが、チャイコフスキーの作曲したオリジナル民謡と言った風情があります。

 

第4楽章 フィナーレ:モデラート・アッサイ :アレグロ・ヴィーヴォ

ウクライナ民謡《鶴》からの引用から始まります。

チャイコフスキーの妹アレクサンドラの使用人、ゲラシモヴィチがウクライナ民謡《鶴》をチャイコフスキーの前で歌ったことが引用のきっかけ。

そのためチャイコフスキーは交響曲第2番《小ロシア》の

 

「終楽章は、ゲラシモヴィチの功績だ」

 

と、冗談っぽく語ったというエピソードもあります。

曲調としては、勇ましくも力強いフィナーレになっています。

 

【名盤3選の感想と解説】チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》

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ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

「旋律の美しいチャイコフスキーの音楽」は「美しいアンサンブルの名盤で聴く」ってやっぱりいいですね。

こんな演奏ならチャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》の演奏機会ももっと増えるのかな?

「チャイコフスキーらしい歌ごころ満載の名盤」…とまでは言えないのかもしれませんが、キラリと光るチャイコフスキーの型とは言えそうです。

 

アンドレ・プレヴィン:指揮 ロンドン交響楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

より民謡風に聴きたい時の名盤。

いい意味で「技巧にこだわりすぎていない」ところにチャイコフスキーらしい歌が満ちていて嬉しいです。

プレヴィンの出身はドイツですが、意外と民族臭のある楽曲の演奏での名盤は多いですね。

やっぱり音楽の歌わせ方に丁寧さがあるのかも…。

そんなわけでオススメな名盤なわけなのです。

 

 

【まとめ】チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》

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さて、チャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

ステキな「民謡交響曲」と言えそうな歌ごころがいっぱいのチャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》。

 

チャイコフスキーの有名な曲は聴きつくしちゃったしなあ…。

はあ〜(ため息)チャイコフスキーロス…。

 

そんな方にもオススメなのがチャイコフスキー:交響曲第2番《小ロシア》です。

 

チャイコフスキーの交響曲としては時間的に短めですので意外と初心者の方でも聴きやすい隠れた名曲と言ってもいいかも…。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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