ポロン、ポロン…♫
ポロン、ポロン…♫
優しく響いて、風変わり…
サティ《3つのジムノペディ》…。
奇妙…とは違う…。
妄想…とも違う…。
そう、なんとなくだけど…
素朴で静か…
そう、今回は「不思議な魅力が、そこはかとなく漂う…」サティ《3つのジムノペディ》、解説とおすすめ名盤を紹介です。
- 【解説】サティ:3つのジムノペディ
- 【作曲の背景と物語】サティ:3つのジムノペディ
- 【そこはかとない曲解説】サティ:3つのジムノペディ
- 【3枚の澄み切った名盤】サティ《3つのジムノペディ》
- 【まとめ】サティ《3つのジムノペディ》
【解説】サティ:3つのジムノペディ
サティ《3つのジムノペディ》の、こんな解説があります。
Iは風変りな男だった。 そして 格別早熟だった。上野(音楽学校)に入学してから、朝の教室で先生がくるのを待つ間、かわりばんこにピアノを弾いて遊んだものだった。(中略)
Iはとても静かに《ジムノペディ》を弾くのだった。(中略)
Iは3年生のXマスの夜、玉川で投身自殺した。太宰治の影響だ。ぼくの家で新年会をやっている時に死体が上った。1月6日だったかしら……。
悲しい、寂しい新年会になった。 こんな時、《ジムノペディ》が彼のピアノで聴きたいと思うのである。
出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P176より引用
なんとも説明のつかない
- 不安で
- 切なくて…
- さみしくて…
そんな感情は確かに存在してるのに、それがどこから来るのかも分からずに、心は乱れ、揺れ動く…。
どこから来るのかが分かれば、やってくる直前に追い払うことが出来るのに…。
…?…って…その感情、どうやったら追い払えるというの…?
- いっそ、お酒を飲みまくる?
- いっそ、異性を考える?
- いっそ、うまいもん、食べまくる…?
いやあ、
でも、
そんなことをしてみても…
「満足感」はいずれ…消える…。
そして、再び姿を現してくるよ…
- 不安気で
- 切なくて…
- さみしくて…
…の感情は…。
「よっ…久しぶり…」。
…くらいの感じで…。
みやげ物でも持って訪れる
友だちみたいな軽いノリで…。
「嫌なヤツ…」…
そんなことを、心で思う…
そして、いたしかたなく受け入れる…
そうか…?
いっそ…ほほえみを持って受け入れよう…
夜の静寂(しじま)の孤独な時に…。
さあ、流そう…サティ《3つのジムノペディ》…。
そして、迎えよう…そっと静かに微笑んで…
- 不安気で
- 切なくて…
- さみしくて…
…の感情を…。
【作曲の背景と物語】サティ:3つのジムノペディ
物語
「退屈だな…」
たったそれだけの理由でサティは、パリ音楽院、退学を決意します。
1886年、サティが20歳の時でした。
「パリ音楽院を退学すること」…それは、音楽家としてのエリートコースを捨てることに等しいことでした。
- 形式にしたがうのは息苦しい
- 伝統を守るのは窮屈だ
- 俺の音楽はどうあるべきか…
そんなうっ屈した思いを持って、サティはモンマルトルの街をさまよいます。
そして、当時の
- 画家
- 詩人
- 音楽家
そんな芸術家や文化人が足を運ぶ、キャバレー「黒猫」で働き始めるサティ。
その環境に身をおきながら過ごす中で、本来のサティが持つ芸術性が開花していきます。
そして、作曲されたのが《3つのジムノペディ》だったわけです。
ジムノペデイ「その意味は?」
ところで《ジムノペディ》とはどういった意味なのでしょう?
そのもとは、古代ギリシアにその由来があります。
つまり、
ギリシャにおける
- 芸術、芸能の神《アポロン》
- お酒の神《バッカス》
などの、神々をたたえる祭典「ギュムノパイディア」。
この祭典が《ジムノペディ》の題名の由来になっています。
サティは「ギュムノパイディア」の様を描いた古代の壺を見て、インスピレーションを得ます。
そして作曲されたのが《3つのジムノペディ》というわけです。
また一節では、ギュスターヴ・フローベールの小説《サランボー》に刺激を受けて作曲したのでは…とも言われています。
【そこはかとない曲解説】サティ:3つのジムノペディ
第1曲
ポロン、ポロン…♫
ポロン、ポロン…♫
ポロン、ポロン…♫
不思議な気持ちが、
ポロン、ポロン…♫
優しい思いで、
ポロン、ポロン…♫
澄んだ気持ちを、
ポロン、ポロン…♫
乗せるよ、乗せる…
ピアノは乗せる、
第2曲
「あれ…?」
第2曲目はいつの間に始まった…?
気づかぬうちに始まった…。
ま、いいか…。
なんとも言えない心地よさ…♫
第3曲
凪(な)いで静かな海のよな…
水が深くて、深すぎて…
でもだからこそ、青、深し…。
さあさ、海と、交わろう…
ポロン…と、
不安なその気持ち…♫
ポロン…と、
切ないその思い…♫
ポロン…と、
さみしいその記憶…♫
ポロン…♫
ポロン…♫
ポロン…♫
ポロン…♫
ポロン…♫
ポロン…♫
【3枚の澄み切った名盤】サティ《3つのジムノペディ》
フィリップ・アントルモン:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
- きれいさ
- 優しさ
- そして、気だるさ…
とてもバランスのいい名盤…♫
風の気持ちのいい、でも、ほんの少し憂うつでもある午後に聴きたい…。
そんな名盤…。
パスカル・ロジェ:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
洗練されたピアニズムとフレッシュな感性がほとばしる。
でも、そんな情感を隠して展開するニクい名盤…。
ウツウツとして、クサクサした、そんなわずらわしい感情をそっとふき清めてくれるよな…。
アルド・チッコリーニ:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
- 皮肉っぽく…
- ねじれた感情…
- でも、それが可愛らしい…
そんな名盤…。
ある意味もっともフランス人ピアニストらしく、もてあそぶようなユーモアさえ感じられる名盤でも、また、ありますね。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】サティ《3つのジムノペディ》
さて、サティ《3つのジムノペディ》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
現代社会はそこらじゅうで競い合いが行われて
- 疲れる…
- ダルい…
- ウツ状態…
そんな気持ちを抱えて生きてる人も多いものです。
まあ、かく言う私、アルパカ自身の心もそんな風景で覆われることもなくなない…。
まあ、ともあれ、たまにはノンビリと静かに時を過ごしたいものですね…。
「ふうう…。。。
ジムノペディでも聴くか…♫」
ポチッ…!
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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フランス人作曲家のピアノ作品…イイね…。。。