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モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304【名盤2枚と解説|感想】

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あてもなく疾走する

透明な悲しみ!

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304(第2楽章)

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  • 憂(うれ)いて歌うヴァイオリン
  • 花を添えるは美し、ピアノ…

今回は、モーツァルトの小さな名曲《ヴァイオリン・ソナタK.304》の解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【解説】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304

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モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》のこんな解説があります。  

作曲直後にモーツァルトは母を失うが、その不安が彼の心を領していたのか、

あるいはマンハイムで別れてきたアロイジアにやがて失恋する予感なのか、

それともパリのうわついた環境の中に小さく孤立することを余儀なくされている天才の心に立ち現われた魔神の呼び声なのか、

いやそのように言葉に言い表わすのはしょせん不可能であるかも知れないが、ともかくこれは異様な暗さである。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P20より引用

 

確かに「異様」だと思います。 

本来、モーツァルトのころのヴァイオリン・ソナタの基本的なあり方とは、

  • 軽やかに
  • 楽しく
  • そして、優雅に…

という、そんな時を過ごすためにある、そんなジャンルでした。

なのに、この《ヴァイオリン・ソナタK.304》はモーツァルト自身の暗い感情や、なんともウツウツとしたやるせない感情を表しています。

また、解説にありますように「悲しい出来事を予感させるような曲調」を持っていることがモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の特徴になっていますね。

 

短調(暗い基調)のヴァイオリン・ソナタで、もっとも有名なのはベートーヴェンの《クロイツェル・ソナタ》です。

けれども、このモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》は《クロイツェル・ソナタ》と同じくらいか、もしかしたらそれ以上の暗い感情を秘めていると感じます。

なぜなら、モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の「語り口がより静かであると思う」からです。

 

【各楽章を解説】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》は2楽章で成り立っています。

第1楽章 アレグロ(速く)

どんよりと重く、また陰鬱(いんうつ)とした始まりです。

ヴァイオリンが静かに語りだすと、それとともにピアノが応えます。

ヴァイオリンとピアノが悲しみを深めながら、それとともに 透明感をも深めていくのです。

明るいきざしも一瞬現れますが、それもつかの間…やはりその悲壮感は消えることなく展開し、そして終わっていきます。

 

第2楽章 テンポ・デイ・メヌエット(舞曲のようなテンポで)

優美で流れるようなリズムに乗って、まずはピアノがヴァイオリンに静かに語りかけます。

それに対して、やはり静かにヴァイオリンが応えます。

そんなささやき合いの中にも寂しさや悲しさを含んでいます

そして、その途中にひとときのやすらぎのメロディが現れます。

悲壮感に覆われたモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の中で非常に印象的に響くところです。

けれども、しばらくして再び暗いささやきへと戻っていきます。

モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》は、全2楽章しかありませんが彩りの豊かな「小さな名曲」と言えそうですね。 

【3枚の名盤の感想と解説】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304

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ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
イングリット・ヘブラー:ピアノ
  

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

切々と歌うシェリングのヴァイオリン、それにやさしく寄り添うヘブラーのピアノ…。

なんとメランコリックな美しさに満ち満ちている名盤なことでしょう。 

モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》のさみしい曲調が、時に演奏を冷たい印象にしてしまいがちですが、この名盤はどこまでも優しくあたたかい…。

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタを聴く上で一度は聴いておきたい。

そんな名盤です。 

アルテュール・グリュミオー:ヴァイオリン
クララ・ハスキル:ピアノ  

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

「究極なまでに磨き抜かれた美感」が楽しめるグリュミオーのヴァイオリン、「透明感の中に耽美(たんび)さ」をのぞかせるハスキルのピアノ。

どこか冷たさも感じますがモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の

  • 徹底的に
  • 怖いくらいに
  • 奥深くまで

突き詰めた名盤です。  

イツァーク・パールマン:ヴァイオリン
ダニエル・バレンボイム:ピアノ
 

 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

少し楽天的な傾向のあるパールマンのヴァイオリンですが、その歌ごころは相変わらず心地いいと感じます。

その歌にバレンボイムの「技巧を隠しながら主張しない」素晴らしいモーツァルトの演奏が聴き取れる名盤です。

モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の本来もつ暗さに、あまりのめり込み過ぎることのない聴きやすさ。

少しスッキリと聴きたいときにはいい、ある意味モーツァルトらしいモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の名盤とも言えそうです。

 

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【まとめ】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.304

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さて、モーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

  • 憂(うれ)いて歌うヴァイオリン
  • 花を添えるは美し、ピアノ…

憂いを秘めた思いと透明感のある響きとが、そこはかとなく漂っている

そんなモーツァルト《ヴァイオリン・ソナタK.304》を聴きながら、さみしくも透きとおった時間を過ごすのも、たまにはいいかも…。

 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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