アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

モーツァルト:グラン・パルティータ【解説と3枚の名盤】第3楽章、アダージョの癒やし…♫

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ふくよかなアダージョ…

踊るメヌエット

歌うアレグロ

が美しい♫

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

 

第3楽章のアダージョが有名。

今回はモーツァルトの優美でしなやかな魅力が香る《グラン・パルティータ》の解説です。

 

【解説】モーツァルト:グラン・パルティータ

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モーツァルト《グラン・パルティータ》の素晴らしさを伝える、こんな解説があります。 

「セレナード第10番」も、モーツァルト学者のアインシュタインが

「このジャンル全体の頂点とみなされるべきものである。これに続くものは後世にも出ていない」

と言っているように、この種の野外音楽のうちで、最高傑作に数えられる作品である。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P90より引用

 

【名称について】モーツァルト:グラン・パルティータ

《グラン・パルティータ》という名称ですが、これはフランス語で「大組曲」という意味です。

しかし、これはモーツァルト自身がつけた名称ではありません。

(第三者の筆跡で楽譜に書かれた跡があります)

 

さらに、

  • セレナード第10番 変ロ長調 k.361(K.370)
  • 13管楽器のためのセレナード

という以上の2つの呼び名もあります。

 

解説の中の音楽学者アインシュタインの言葉で「このジャンル全体の頂点」とあります。

 

このことからも《グラン・パルティータ(大組曲)》という呼び名が一番似つかわしいように感じるのはたぶんアルパカだけではないと思います。

 

【作曲動機について】モーツァルト:グラン・パルティータ

では《グラン・パルティータ》は、どんな経緯で作曲されたのでしょう。

それは、当時バセットホルンの名手シュタードラーに依頼を受けたからでした。

バセットホルンとはクラリネットの仲間で、クラリネットよりも低音に設計され、またそこに魅力を発揮する楽器です。

  • ふっくら
  • 柔らか
  • 深い味わい

そんな特徴があります。

 

また、このシュタードラーの依頼でモーツァルトが作曲した曲としては

の2曲が有名です。

 

うーん、こう見てくるとシュタードラーの後世への功績って大きいのだなと感じます。

 

【第3楽章に心うばわれる】【解説】モーツァルト:グラン・パルティータ

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【天使の歌】【第3楽章】モーツァルト:グラン・パルティータ

さて、第3楽章の解説です。

バセットホルンとファゴットが低音のハーモニーを奏ではじめ、それが静かに…ことば少なに語り合います。

そしてしばらくすると、そこへ、歌が聴こえてくるではありませんか…。

目を閉じてじっと聴き入っっていると、それがオーボエという小柄でかわいらしい天使の歌であることがわかります。

さて、さらにハーモニーを重ねてきた別の天使が現れます。

その包み込むようなあたたかい歌を歌うは名をクラリネットと言うらしい…。

 

目に見えそうで見えなくて

聴こえそうで聴こえずに

さわれそうでさわれない…

それでもやっぱりココニイル

確かに歌は聴こえくる…

あたたかく…

そよ風ひとつありもしない

そんなお遊戯(ゆうぎ)午後のこと… 

 

【第3楽章】【映画《アマデウス》】モーツァルト:グラン・パルティータ

 

映画《アマデウス》はモーツァルトを描いた名作です。

地位も名誉もある宮廷楽長のサリエリが、ただ一点、音楽の才能においてだけは勝てない相手がモーツァルト。

その嫉妬心ゆえにモーツァルトを死に追いやってしまうというストーリーでした。

劇中に《グラン・パルティータ》が演奏される有名なシーンがあります。

 

ザルツブルク大司教の邸宅で行われるコンサート。

サリエリは「天才モーツァルト」がどんな人物なのか興味津々です。

と、そこへ下品でだらしない声と言葉を発しながら女の子を追いかけている若者がやってきます。

眉(まゆ)をしかめながら不快な思いのサリエリ。

と、その時グラン・パルティータ第3楽章が流れ始めます。

 

モーツァルト「…ぼくの曲だ…。」

サリエリ「…!?」

 

 サリエリはあっけにとられて言葉になりません。

 

 「ぼくの曲を勝手に始めやがった…」

 

と、演奏者たちに駆け寄り、指揮をしはじめるモーツァルト。

 

そう、あの

  • 下品で
  • 節操がなく
  • 下ネタを連発する

 

あの若者こそが何をかくそう天才モーツァルトだった。

そんな展開でした。 

 

モーツァルトの「美しい音楽」と「普段の素行」との違いのギャップに、映画を見るものは、サリエリとともに愕然とするわけですね。

まさしく当時の音楽家としては最高の地位にある宮廷楽長がモーツァルトの才能に嫉妬して、しかも最終的には、そのモーツァルトを死に追いやってしまう。

なんとも悲しい結末ですが、モーツァルトの音楽のスゴさをあらためて実感させられる映画でしたね。

 

 

【各楽章を解説】モーツァルト:グラン・パルティータ

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それでは第3楽章以外の解説に入ります。

グラン・パルティータは、全7楽章で成り立っています。

第1楽章 ラルゴ :モルト・アレグロ(表情ゆたかにゆったりと:とても速く)

ゆったりと始まります。

 

ふと、ほほを撫(な)でるそよ風のような流れの中、再びふと音楽が止まると…

速いテンポに転じながらそれぞれの管楽器たちが小きざみに揺れ、奏でられて展開していきます。

まるで音符たちが踊っているようで愉しい楽章です。

 

第2楽章 メヌエット(踊るように)

第1楽章の踊る音符がゆっくりめにテンポを変えながら、流れるような曲調に変わって進んでいきます。

第3楽章 アダージョ(ゆっくりと)

第3楽章については前述しました。

第4楽章 メヌエット(踊るように)

キラキラした天使たちの歌の後は第2楽章に続いて再び踊るような曲調の曲になります。

《グラン・パルティータ》の中では珍しく少し憂いをおびた曲調の部分もありますが、それもすぐ明るく立ち直って進みます。

この全体的に楽天的な雰囲気を持ったところが《グラン・パルティータ》の魅力のひとつと言えそうですね。

第5楽章 ロマンツェ:アダージョ(叙情的にゆっくりと)

第3楽章に続いて調和的でゆっくりとした曲調になります。

第3楽章が昼どきの静かなときだとするならば、この第5楽章は夕方が近づいてきたころのイメージに近いでしょうか。

途中に少し不安げな暗い雰囲気の部分もありますが、これもまもなく再び調和的でゆっくりとした曲調に戻っていき曲を終えていきます。

第6楽章 主題と変奏:アンダンテ(歩く速さで)

主題

クラリネットがメインに歌いながら協奏曲さながらに展開する第6楽章の主題となる1曲です。

第1変奏

ここではオーボエがメインヴォーカルです。

静かに歌うオーボエをその他の楽器たちが優しくサポートしていきます。

「オーボエを中心にした曲で愉しい変奏の始まり始まり…」

そんな感覚の1曲です。

第2変奏

バセットホルンが歌いながら、それにファゴットやクラリネットが歌って応援します。

さらにオーボエその他の楽器がサポートしながら進みます。

楽器同士が一緒に遊んでいるようでなんとも愉しい1曲です。

第3変奏

それぞれの楽器が弾むように展開する、なんともリズミカルでユーモアたっぷりの変奏です。

第4変奏

いきなり憂いをおびた曲調になります。

それぞれの楽器がさみしさを主張しますが、どれも美しい旋律と音色に満たされていて聴き飽きることがありません。

この変奏があることで第6楽章をしっかり引き締めていると感じます。

第5変奏

バセットホルンたちがデュエットをしながらそれを支えるようにオーボエが歌います。

そしてさらにクラリネットが加わりながらサポートします。

バセットホルンやオーボエ、クラリネットが活躍しながら変化を加え展開する可愛らしい1曲です。

第6変奏

楽器たちみんなが集まってきてみんなで愉しく歌い上げて感動的に終わっていきます。

さあ愉しく合唱してみんなで思い切り歌おう♫

そんな雰囲気で展開します。

 

第7楽章 フィナーレ:モルト・アレグロ(とても速く)

第6楽章の第6変奏の雰囲気をそのまま引き継いで、楽器たちがつどって愉しく歌うさまを想像します。

とてもにぎやかで、でも管楽器たちが声を荒げることはなく愉しくあり、またおだやかでもある曲調の《グラン・パルティータ》のフィナーレです。

 

【3枚の名盤の解説】モーツァルト:グラン・パルティータ

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サー・ネヴィル・マリナー:指揮 アカデミー室内管弦楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

映画「アマデウス」で音楽監督を担当したサー・ネヴィル・マリナーの優美な魅力が花咲いた名盤です。

その雅(みやび)やかでありながら、押し付けがましさが全くない、なんとも絶妙なドライブが実現した珍しい名盤でもあります。

第3楽章はその雅やかさからは一歩さがって調和とたおやかさが満ちた記憶に深く残る印象を与えてくれます。

もちろんアルパカの記憶にも今までもそしてこれからも残り続ける名盤となることと思います。

 

クリストファー・ホグウッド:指揮 アマデウス管楽合奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

古楽器での演奏の中では、これ以上の名盤はなかなか見つかりません。

他の古楽演奏はどこか硬質な感じなのです。

たしかにそれが古楽器の魅力のひとつではありますが、ことモーツァルトの演奏となると

  • ふくよかさ
  • 柔らかさ
  • 優しさ

これらの要素は、はずせません。

とくに《グラン・パルティータ》の第3楽章には必要です。

そのうえでの古楽器の素朴さが手伝ってのモーツァルト演奏がやっぱりアルパカ好み…。

なんとも素晴らしい「古楽器での名盤」です。

 

カール・ベーム:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

風格の中にも優雅なおもむきを持った名盤です。

第3楽章はゆったりとしたテンポで木管楽器の名手たちの歌が聴けます。

《グラン・パルティータ》に無くてはならない淡い色彩の魅力と名手ぞろいのベルリン・フィルのメンバーによる彩りのゆたかな管楽器。

決して《グラン・パルティータ》の魅力が薄れることのない絶妙な色彩バランスで聴かせてくれる名盤でもあります。

 

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【解説と名盤、まとめ】モーツァルト:グラン・パルティータ

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さて、モーツァルト:グラン・パルティータの名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?

  • ふくよかなアダージョ…
  • 踊るメヌエット
  • 歌うアレグロ

そんな美しさが満載の名曲モーツァルト:グラン・パルティータを聴いて愉しい気持ちと優しい思いを取り戻しませんか?

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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