アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

マーラー:交響曲第4番【解説と3枚の名盤の感想】室内楽版も天国の歌にふさわしい

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愉快な天使のほほ笑みと

おもしろおかしいユーモアと…♫

心がワクワクする天上の風景が楽しい1曲


マーラー:交響曲第4番 第4楽章

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「気むずかしい」曲が多いマーラーの交響曲。

その中にあって、めずらしく「ウキウキ楽しい天上の世界」を描いた名曲、マーラー:交響曲第4番。

室内楽としてアレンジされた版(バージョン)も素晴らしい、解説と名盤の紹介です。

【解説】マーラー:交響曲第4番

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 「楽しさ」と「ユーモア」たっぷりな、マーラー:交響曲第4番のこんな解説があります。 

マーラーが40歳の夏に完成されたこの「第四番」には、それまでの彼の交響曲にただよっていた絶望的な暗さがみじんもない

マーラーの愛弟子で、名指揮者のブルーノ・ワルターがこの曲について、「天上の愛を夢みる牧歌である」と言っているように、全体に実に明るく楽しい曲となっている。

ことに、終楽章でソプラノが歌う、天国の美しさと天使の楽しい生活をたたえた、素朴なメロディは、とりわけ陽気な明るさにみちている

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P70より引用 

マーラーが20代後半のころ、ドイツの民衆歌謡を集めた詩集『少年の魔法の角笛』に触れて感銘を受けます。

その感動が音楽に溶け込み昇華し、完成したのがマーラーの交響曲の第2番と第3番でした。

そして、第3番の最終楽章である第7楽章に「天上の生活」を挿入する予定でいました。

しかし、このマーラー:交響曲第3番があまりにも長大であったため、この「天上の生活」という曲をもとにして、マーラーは、第3番とは別に交響曲第4番を作曲します。

つまり、マーラー:交響曲第4番の最終楽章である第4楽章に、この「天上の生活」を配置され、マーラー:交響曲第4番は完成をみたのでした。

また、マーラーは交響曲第4番を「フモレスケ」と名付けようと考えたこともあったようです。

「フモレスケ」とはドイツ語で「ユーモア」とか「こっけいなさま」のことを言います。

しかし、その要素は、特に面白おかしい曲調を持つ第2楽章に表れています。

マーラー:交響曲第4番は、全体的に、メルヘンチックな雰囲気があり、童話や、おとぎ話のような要素が入っています

そのため、重厚なマーラーの交響曲には珍しく「ほっこりとする」1曲に仕上がっています。 

【各楽章を解説】マーラー:交響曲第4番

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

この曲は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 急ぎすぎず、しかし、ゆっくり過ぎずに。

りんりんりんりん、りんりんりんりん♫

可愛らしい鈴の音(ね)…。。。

まさしく冒頭から「天上の生活」の生活音とも言える音が、ここちよくします

その後、音楽のスピードや曲調を変えながら展開しますが、いつも戻るのは、ほっこりとした、なんとも調和的な「天上の生活」のイメージなのですね。

第2楽章 くつろいだテンポで。慌ただしくならないように。

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前述しましたがマーラーが「フモレスケ」(ユーモアやこっけい)と名付けたかった、その特徴は、この第2楽章に濃く表れています。

なぜなら、この第2楽章が天使がいたずらっぽく遊ぶ姿に感じるからです。

いたずら大好きな天使が、たわむれて来て、そのいたすらがバレても笑顔とユーモアでその場を和ませちゃう。

それこそ、お茶目な天使が楽しむ「フモレスケ」

マーラー:交響曲第4番が「天上の生活」の特徴がよく表れている特徴的な楽章と言えそうですね。

第3楽章 ゆるやかに、安らかに。

やさしく癒やしに満ちた1曲。

静かに展開する第3楽章は「天上の生活」の中でもすやすやと眠る天使の昼寝…

そんなイメージです。

やさしい曲調のマーラー:交響曲第4番のもっとも瞑想的でおだやかな1曲です。

第4楽章 とても心地いい感じで。

マーラー:交響曲第4番のフィナーレにふさわしくソプラノの美しい歌声が「天上の生活」をよく表している曲です」。

マーラーが影響を受けた、詩集『少年の魔法の角笛』の中の「天上の生活」の冒頭は以下の内容です。

我らは天上の喜びを味わい

それゆえに我らは地上の出来事を避けるのだ

どんなにこの世の喧噪があろうとも

天上では少しも聞こえないのだ!

すべては最上の柔和な安息の中にいる

我らは天使のような生活をして

それはまた喜びに満ち、愉快なものだ。

我らは踊り、そして、飛び跳ねる。

我らは跳ね回り、そして、歌う。

ウィキペディアより引用 

歌はうるわしく響き、そして、静かに幕を閉じていきます。

なんとも印象的で、心に残る名曲ですね。

 

【3枚の名盤の感想と解説】マーラー:交響曲第4番

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クラウディオ・アバド:指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のまろやかな響きがマーラー:交響曲第4番には、いい効果を発揮しているという感想です。

「天上の生活」のなかでの「天使の歌」とはこういうものかなと思わせてくれる名盤です。

第3楽章の安らかさは、とくに絶品で、純粋の極みを聴かせてくれる名盤とも言えそうですね。

レナード・バーンスタイン:指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

バーンスタインらしく、メリハリの効いた元気なマーラー:交響曲第4番を聴かせてくれる名盤です。

指揮者としては若いと言える40代のバーンスタインのフレッシュな躍動と、そこからあふれ出る霊感(インスピレーション)が輝かしい名盤ともいえますね。

第1楽章と第2楽章の弾むような「明るさ」と「フモレスケ(こっけいさ)」はもちろん、第4楽章のレリ・グリストのソプラノが天使そのものの可憐さと美しさ

「元気に弾ける『天上の生活』はここにある」そんな感想を持てる名盤です。 

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エリアフ・インバル:指揮 フランクフルト放送交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

温かみがあってやわらかい印象の名盤です。

ことさら大きな起伏はつけることはなく「天上の生活」を描いているという感想を持ちます。

インバルにもマーラー全集がありますが総体的には落ち着いた雰囲気をもっています。

ことさら第3楽章の「安らぎ」から第4楽章の「ここちいい天上の生活」の透明感のある美しさは他の演奏ではなかなか聴けないものにまで昇華している名盤と言えそうです。 

 

【室内楽版の解説】マーラー:交響曲第4番

マーラーの交響曲第4番には、室内楽版が存在します。

編曲をほどこしたのは、シェーンベルクの友人のエルヴィン・シュタインです。

1918年、作曲家であり指揮者でもあったシェーンベルクは、私的演奏協会を旗揚げします。

その目的は同じ時代の作品を演奏、紹介することでした。

その上演の際、さまざまな作曲家の交響曲や管弦楽を小編成の室内楽版にアレンジして紹介していました。

シェーンベルクとその弟子たちが編曲した室内楽版の曲のなかには、マーラー:交響曲第4番も含まれています。

そして、室内楽版であることで、交響曲版とはひと味ちがった魅力をかもし出しています。

マーラー:交響曲第4番の「天上の生活」のイメージが、なんとも言えない、ふくよかさがあって、あたたかいのです。

マーラー:交響曲第4番が好きになったら一度は聴いておきたいですね。

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【解説と名盤、まとめ】マーラー:交響曲第4番

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さて、マーラー:交響曲第4番の名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?

「最近、笑いやユーモアが足りないぞ、ワタシ…」

ゲラゲラ元気に笑う元気もない…。

そんなことを思うアルパカです。

あなたは、いかがですか?

心がクサクサして落ち着かない時には、マーラー:交響曲第4番を聴いて「天上の生活」には常にある「ほほ笑み」を得るべく、耳をすますのもいいものです。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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