アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

ジュピター(木星)「ホルスト:組曲『惑星』」【その魅力と名盤を解説】宇宙を耳で感じよう!!

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時代の変化の中、

何度でも「復活」をとげる!

だって、これぞ、宇宙的なる音楽詩篇!!


ホルスト: 組曲「惑星」- 木星(ジュピター/快楽の神)

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2003年に、日本では平原綾香が、ジュピター(木星)で歌手デビューし、歌ったことで、有名になりました。

これは、ジュピター(木星)の中間部のメロディをもとに、平原綾香自身が、作詞しています。 

時代に忘れられても、復活を遂げる不屈の名曲!

それが、ホルスト:組曲「惑星」の中のジュピター(木星)なのです!!

【3つのエピソード】ジュピター(木星)「ホルスト:組曲『惑星』」

ジュピター(木星)「ホルスト:組曲『惑星』」こんなエピソードがあります。

  1. 《平原綾香のジュピター》ー災害時、人々の心の支えに…
    2004年10月に起きた、新潟県中越地震
    この時、当時の観測史上2度目の震度7を記録し、大きな被害を出しました。
    この後、被災地からラジオ局にむけてジュピター(木星)のリクエストが続々と寄せらたようです
    その後、2005年8月に行われた「新潟県中越大震災復興祈願花火フェニックス」に、先行して、平原綾香自身がジュピター(木星)のライブ歌唱を敢行。
    また、実際の「新潟県中越大震災復興祈願花火フェニックス」では、復興祈願花火のテーマ曲として、ジュピター(木星)が流れました。
    その後、ジュピター(木星)は、「フェニックス花火」のテーマ曲として定着し、現在にいたっています。
    さらに、2011年3月に東日本大震災が起きたあとに行われた多くの音楽番組などでも、ジュピター(木星)の、リクエストが増えるという現象が起きました。
  2. 《イギリスの愛国歌、ジュピター》ー戦争後の平和の象徴
    ジュピター(木星)のメロディは、イギリス国内における、愛国歌「祖国よ、我は汝に誓う」という歌にも、使われています。
    第一次世界大戦の際、イギリスは連合国側を代表する国として、戦いました。
    戦争には勝利しましたが、100万人を超える死者を出し大きな犠牲を払いました。
    ジュピター(木星)のメロディをともなう「祖国よ、我は汝に誓う」という歌は、1926年11月11日に第一次世界大戦休戦協定記念式典において、初めて演奏されました。
    その後、毎年、この記念日には式典において歌われています。
  3. 《指揮者カラヤンホルスト:組曲『惑星』を復活させる》
    1962年、ヘルベルト・フォン・カラヤンはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともに、「ホルスト:組曲『惑星』」を演奏し、紹介しました。
    当時、すでに忘れ去られていたホルスト:組曲「惑星」でした。
    しかし、カラヤンが紹介することによって、再び脚光を浴びたという経緯もありました。

ジュピター(木星)を含む「ホルスト:組曲『惑星』」のように、いい音楽は、時代や国を超えて、人々から愛され復興のシンボルになったり、人々の心を癒やしたりするものなのですね。

そして、それゆえに、いつか忘れ去られても、何度でも復活を遂げるものなのかもしれません。

【解説ージュピター(木星)】ホルスト:組曲「惑星」

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では、ホルスト:組曲「惑星」の中の「ジュピター(木星)」をメインに解説していこうと思います。

☆木星、快楽をもたらす神(ジュピター)

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ジュピターはローマ神話の主神であり、ギリシャ神話では、「ゼウス神(しん)」として知られる神さまです。

天候を司る天空神であり、とくにカミナリをあやつるとされています。

また、ときに応じて女神へと、変身することもあります。

もしかして、平原綾香って女神さまの生まれ変わり?

だって、平原綾香の歌って、まさしく、ジュピターが女神へと変身した姿を思わせる、美しく素晴らしい歌ですものね。

さて、ホルスト:組曲「惑星」ですが作曲には、1914年から1916までかかっています。

そのなかのジュピター(木星)の作曲は1914年の年末のことでした。

【解説ー各惑星】どんな神さまが司っている?ホルスト:組曲「惑星」

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 ここでは、ホルスト:組曲「惑星」で描かれている他の惑星について解説していきたいと思います。

ホルストの進歩的なアイディアがうかがえる。この組曲は、太陽の周囲を公転する惑星群から火星、金星、水星、木星、土星、天王星、海王星の七つの星を選んで書いた七曲の交響詩ふうのものからなり、それぞれの曲には、それらの星を一般的に結びつけられている神を副題にしている。(中略)星のさまざまな輝きであったり、空想的にきこえる公転の音であったりする。

出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」p154より引用

ホルストは、組曲「惑星」を作曲する1年ほど前から、「占星術」に強い関心を持っていました。

そして、組曲「惑星」を「天文学的」にではなく、「占星学的」視点から、各惑星のイメージをとらえ、音楽に昇華したとのことですね。

☆火星ー戦争(戦い)の神(マルス)

 

勇敢な軍神マルスの起こす地響きの音からはじまる楽曲。

全体が颯爽(さっそう)と駆け抜けるマルスの勇壮な音楽で貫かれていますね!!

☆金星ー平和の神(ヴィーナス)

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ローマ神話で語られるヴィーナスの象徴は「愛」「美」「女性」そして、「金星」として、語り継がれてきました。

音楽的にも、非常に透明で、美しく、輝くばかりの優美な金星のすがたが想像できて素晴らしいです。

☆水星ー翼のある使いの神(マーキュリー)

マーキュリーは、商人や旅人を護る神さまであり、雄弁な商人でもあります。

神の言葉を、即座に伝える伝令役でもあるマーキュリー。

その俊足(しゅんそく)によって、天地を駆け抜けるさまが音楽的にも、表現されています。 

☆土星、老いをもたらす神(サターン)

サターンは、ローマ神話に登場する農耕をつかさどる神さまです。

その音楽の表現する姿は、「老い」。

私たちの心を深淵へと誘ってくれる、癒やしの音楽と言えます。

☆天王星、魔術の神(ウラヌス)

ウラヌスは、ギリシア神話に登場する天空神(てんくうしん)です。
全宇宙を最初に統一した王とされ、とても大きな体をもち、宇宙を身にまとっています。

☆海王星、神秘の神(ネプチューン)

海の神さまです。

泉、河、湖などをつかさどる「水の神さま」とも言われますね。

音楽としては、神秘的で、ゆったりと流れる印象です。 

ホルスト:組曲「惑星」の中で、唯一、女声コーラスがメロディをなぞります。

宇宙のひろがりを表現するためのコーラスに聴こえます。

最後は、女声コーラスがフェードアウトしていき、それが宇宙の永遠性や無限性を表しているように感じます

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名盤5枚を解説】ホルスト:組曲「惑星」

エイドリアン・ボールト:指揮 ロンドン交響楽団

ホルスト:組曲「惑星」の初演(世界で初めて演奏する)を行ったボールトの5回めの録音。

「ジュピター(木星)」の冒頭などは、ゆっくりめに演奏されていて、ビックリ。

あらためて、「ジュピター(木星)」のメロディの美しさが再確認できて価値があります。

およそ、迷いのない自信からホルスト:組曲「惑星」への確信がなさしめるウキウキ感が満載の素晴らしい1枚

勇ましすぎることは、ありませんし、テンポもじっくりと進めています。

 

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ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1920年にボールトによって、初演されたホルスト:組曲「惑星」は、当時、とても評判が高く、ホルストの名を、世間に広く知らしめる結果となりました。

しかし、もてはやされたホルスト:組曲「惑星」も時がたつとともに、だんだんと忘れ去られていきました。

その後、1962年、このホルスト:組曲「惑星」が再び、注目されることになりました

それが、このカラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

時の流れの中で埋もれていた、ホルスト:組曲「惑星」をカラヤンが演奏し、紹介することによって、ホルスト:組曲「惑星」が再評価されました。

そして、それが、現在にいたっているのです。

木星の冒頭のキレのよさや、疾走感もクセになる感動的展開!

ホルスト:組曲「惑星」、復活の起爆剤になった理由もこの辺にありそうですよね〜!!

木星以外で印象的なのは、火星です。

「どっど、どどどど♫…どっど、どどどど♫」

「どっど、どどどど♫…どっど、どどどど♫」

の部分。

この、オドロオドロしさと、怖さは一体なんなんだ?!

しかも、徐々にスピードが速まっていき、勇ましさもどんどん増していくぞ〜!

冒頭からいきなり、ハ、ハマる〜♫

 

これを聴いて、

「疲れたあなたの心も体も見事に復活!」

と、いきましょう〜♫

サー・ネヴィル・マリナー:指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

アルパカが人生で初めて体験した、ホルスト:組曲「惑星」!

いまもって、その細部にまで行き届いた美感に舌を巻きます。

ジュピター(木星)は他の名盤と比べるとおとなしい感じです。

ただ、それは、悪い意味ではなく、とても品のある上質な雰囲気のジュピター(木星)ですね。

他の多くの名盤解説では、なかなか紹介されないのは、勇ましさが欠けるせいでしょうか?

いやいや、勇ましさだってなかなかのものなのですが…。

マリナーの音作りの柔らかさと、世界でも「有数の美しいアンサンブル」を展開するロイヤル・コンセルトヘボウ。

そんなことですから、宇宙の神秘をじっくりと、存分に感じたい方には、とても大きな感動を約束してくれる1枚ですよね〜。

シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団

丹念に、「美を追求する音づくり」に専心するデュトワのその詩的な美感。

それが、いかんなく発揮された演奏ですね。

ジュピター(木星)もひときわ大きく、そして、ひときわ輝かしい栄光に満ちた存在に思えて来ます。

この細やかで、優雅な音芸術はデュトワ独特のもの

他の追随を許しません。

色あざやかに、描かれていくデュトワの音を使った、その筆使いは宇宙の神秘そのものですね。

一聴の価値アリです。

コリン・デイヴィス:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の細部にまで行き届いた緊張感ある音世界。

それをドライヴする、デイヴィスの洗練された宇宙観はやっぱり壮大なファンタジーですね。

ジュピター(木星)の神秘感、そして包み込むような安心感がピカイチですね。

また、キラメクような音たちのスピード感もクセになります。

火星の「勇ましさ」や、金星の「静寂の美」など、どんな状況に音楽が運ばれたとしても、期待を裏切ることのないこの完成度。

完成されすぎて、「肌感覚が足りない」なんて感も無くはないですが、その「完成」そのものもある意味、個性ですね。

もちろん、心に食い入ってくる、暖かいまでの感動もたっぷり注入されている1枚。

その美しさは、とくに「金星」の美しさで活きます♫

さまざまな、ホルスト:組曲「惑星」の「個性的な宇宙の旅」を楽しんだあとに、ふと立ち戻ることのできる、デフォルト設定の安心、安定の揺るぎない名盤です

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【まとめ】ジュピター(木星)「ホルスト:組曲『惑星』」

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さて、曲や名盤の解説はいかがでしたか?

ホルスト:組曲「惑星」とくにジュピター(木星)は、多くの人々の心に残り続ける名曲ですよね。

深遠な宇宙をくまなく旅をするのは、私たちのずっと後の世代になりそうです。

それならせめて、音楽の世界へと、飛び込むことで、「ホルストの発想した広大な宇宙」を楽しんじゃうというのも、アリですね! 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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