ドキッと、ビックリ(驚愕)!
寝てるご婦人、起こしちゃおう!!
「そこのご婦人方!演奏中ですよ。」
「居眠りなんかしないで聴きなさいよ!!」
「…ったく…もう…」とは聴衆の前では言えません。
そこで、ハイドンの考えた、秘策を盛り込んだ1曲がコレ。
そう、この、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」なのです♫
- 【楽曲を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
- 【各楽章を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
- 【3枚のおすすめ名盤を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
- 【解説と名盤、まとめ】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
【楽曲を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」、作曲当時のハイドンは、各地で絶大の人気を、誇っていました。
ただ、日々、苦々(にがにが)しく思っていたことが、ひとつだけありました。
それは「曲調が静かなもの」になると、貴婦人たちが、うつらうつらと眠りに落ちてしまうことでした。
そこで、ハイドンは、交響曲第94番「驚愕」の作曲の際にちょっとした(トリビアな)いたずらを、思いつきます。
こんな解説があります。
(ハイドンは)静かな第2楽章の変奏曲で、ちょっとした(トリビアな)いたずらをした。
最初に親しみやすい主題があらわれ、すぐにそれが繰り返されて静かに終わる、と思った瞬間、全合奏で大きな音が鳴らされる。
(冒頭の動画の00:28あたり)
ここで、居眠りをしていた貴婦人たちを驚かせ、目を覚まさせよう、という寸法である。
それでこの曲は「驚愕」と呼ばれるようになった。
はたしてハイドンの「トリビアないたずら」は大成功…したかどうかはハッキリしたことは、記録が残っておらず、わかりません…(汗)
でも、ハイドンって、けっこうお茶目だったことがわかるエピソードですね。
【各楽章を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
それでは、各楽章について解説したいと思います。
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」は、第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。
第1楽章「アレグロ・カンタービレ(快活に、歌うように)」
始まりはとても静かです。
しらじらと、夜が明けていく感じでしょうか。
これから始まるハイドン:交響曲第94番「驚愕」の音楽ドラマの展開が楽しみに感じられます。
その後、ほがらかで、明るい、いかにもハイドンらしい音楽展開が楽しめる1曲です。
第2楽章「アンダンテ(歩く速さで)」
「ビックリ!!」が特徴のハイドン:交響曲第94番「驚愕」を象徴する1曲ですね。
ゆっくりしたテンポで進みながら、いきなり「ジャーンッ!!!」と、くるからビックリしちゃう。
「トリビアないたずら」を入れ込んだお茶目なハイドンを思い切り楽しめる楽章です♫
ただ、全体としては、ゆったりとして落ち着いた曲調で仕上がっていますね。
第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト(踊るように、非常に速く)」
胸を張って、堂々と街をゆく人たちの、元気な姿が想像できますね。
思い切り満面の笑顔で、しっかり前を向き、希望に満ちて行き交う人、人、人…。
そんな楽しさでいっぱいの曲です。
第4楽章「アレグロ・ディ・モルト(きわめて速く)」
太陽の光が燦々(さんさん)と降り注ぐ様がこれほど音楽に表現されたことは稀(まれ)だと思います。
スカッと楽天的で、慈愛に満ちたハイドンの光の芸術の真骨頂(しんこっちょう)!!!
聴いて元気になれるビタミンサプリな1曲です!
【3枚のおすすめ名盤を解説】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
トリビアないたずらが、交響曲第94番「驚愕」の魅力ですね。
アルパカが初めて、交響曲第94番「驚愕」を買ったのは、新宿3丁目にあった「コタニ」というCDショップでした。(何十年前だろう?)
今は丸井がある場所ですね。
その際に、「なぜ、『驚愕』という副題がついているんだろう?」と思って、疑問でした。
でも、中のライナーノートを読んで、理由を知って、それこそ『驚愕』!
なんともいたずらっぽいハイドンのことを知って、親近感を持ったものでした。
そんなハイドンの、いたずらっぽい名盤を紹介していきます。
ジェフリー・テイト:指揮 イギリス室内管弦楽団
アルパカおすすめ度★★★★★
品があって、かぐわしい、そしてなんともバランスがいい名盤ですね。
知情意(ちじょうい)というのでしょうか。
人間の持つ素晴らしさの3要素の「知性と、感情と、それから意志」という精神が、かたよること無く、表現されていて、なんとも愉(たの)しい、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」の名盤です。
イギリス室内管弦楽団の、基本的に控えめでありながら、感情が強く発される部分では強い表現がされていて、非常に緻密に構築されていながら、感性の発露が素晴らしい。
そんな「驚愕」の名盤ですね。
クリストファー・ホグウッド:指揮 エンシェント室内管弦楽団
アルパカおすすめ度★★★★☆
ハイドンの時代の演奏法を、忠実に再現した名盤です。
「過去にタイムスリップしたい人、この指とまれ!!」というあなた向けの名盤。
花で例えると、豪華な「大輪の花」というよりは、
「小さな花たちがたくさん集まって1りん1りんが楽しく歌って出来上がった可愛らしさでいっぱいの美しさ」
そんなステキな、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」の名盤です。
アンタル・ドラティ:指揮 フィルハーモニア・フンガリカ
アルパカおすすめ度★★★★☆
100曲以上あるハイドン の交響曲の全曲録音を完成させた偉業があるドラティ。
その演奏は自信たっぷりで、迷いや戸惑いが全くない。
淀みない音楽の進み方は、メッチャ気持ちイイ自然体!!
堂々として、威厳すら感じさせます。
力強いテンポ感もドラティの特徴です。
ワクワクしてる間に、気がつくと、全曲が終わってしまってる始末の、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」の名盤!
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【解説と名盤、まとめ】ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
さて、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」の名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?
あまりにも、いい音楽は、心が調和され、気持ちのよいものです。
正直に告白しましょう!
アルパカも、クラシック音楽を聴いていて、気持ちよくなって寝てしまう…
…なんてことは…無くはない…いや、よくあります…(汗)
「う〜ん。目の前にハイドンがいたら、嫌われそう…。」
そんな時は、シッカリと目が覚めるハイドン:交響曲第94番「驚愕」の名盤を聴いてシャキッと目覚めましょう!!
…でも、音楽を聴いて、うたた寝って、実は気持ちいい…ZZZ…(寝落ち…)
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
…ZZZ…ZZZ…。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハイドンの特徴ある第2楽章をもう1曲↓
いっそのこと思い切り寝てしまおう↓