楽しくスウィング
カッコいい
リズムにノる!名曲♫
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クラシックからジャズへ、すなわち、
レガートの時代からスタッカートの時代への橋渡し!
さて、今回は、ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》
ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》についてのこんな解説があります。
(ガーシュウィン作曲の)《ラプソディ・イン・ブルー》の初演に居合わせた指揮者ウォルター・ダムロッシュが強い感銘を受け、伝統的な3楽章形式によるピアノ協奏曲の新作をガーシュウィンに委嘱。ガーシュウィン自らがオーケストレーションを手がけ、24年12月3日、ダムロッシュ指揮ニューヨーク交響楽団とガーシュウィンの独奏で初演された。ここに聴かれる第1楽章「アレグロ」ではソナタ形式が用いられるなど、より伝統的(クラシカル)なアプローチが採られているため、初演当時は評価が割れたという。
解説にありますように指揮者ウォルター・ダムロッシュからの作曲の依頼を受けたガーシュウィンでしたがこの時、本格的にオーケストレーションを学び始めます。
解説にある《ラプソディ・イン・ブルー》という曲の作曲はガーシュウィン自身ですがオーケストレーションは作曲家のグローフェが行なっていました。
そのため今回の依頼があったピアノ協奏曲はオーケストレーションを含め、全て自身で手がけようとガーシュウィンは考えたわけです。
オーケストレーションに自信が持てないガーシュウィンは自ら多額の自費を使い、劇場と楽団を手配し実際に演奏してみます。
そして、そこで気になった部分の楽譜の手直しを行なうというこだわりようでした。
結果として、
- ジャズ
- ブルース
- チャールストン
などの要素を含めた明るくて楽しいピアノ協奏曲が誕生したのでした。
ガーシュウィンが生きたころのアメリカは日を追うごとに生活がせわしくなっていく時代にありました。
そして音楽への関心自体もクラシックからジャズへと関心が移行してきていた時代です。
いわば「レガート(なめらかで流れるような)の時代からスタッカート(歯切れのよい)の時代」への移り変わりという流れにも見えてきます。
そんな音楽における時代の橋渡し役とも言えそうなガーシュウィンでした。
しかし、この後さらなる音楽理論の学びを深めるべくヨーロッパへと旅立つ決心をしたガーシュウィンの音楽熱は上がっていくのでした。
(このことについての詳細はコチラの記事がおすすめです)
ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》
初演は1925年12月3日カーネギー・ホールにて
ピアノはジョージ・ガーシュウィン自身
演奏はウォルター・ダムロッシュ指揮
ニューヨーク交響楽団
【各楽章を解説】ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》
それでは、各楽章について解説します。
ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。
第1楽章 アレグロ(速く)
美しくって、クラシカル!
ジャジーな魅力でノリがイイ!!
そんなガーシュウィン《ピアノ協奏曲》始まりの第1楽章は、
- 底ぬけに明るい
- 熱気に満ちて
- 気持ちいい
軽快なジャズのノリで始まりながら朗らかに展開していきますが途中クラシカルな語り口の言わばレガートな魅力の旋律も表れて変幻自在。
ガーシュウィンの持つなんとも色鮮やかな音世界の移り変わりが楽しめてしかも元気なジャジーなノリ!
第1楽章からしてガーシュウィン節が炸裂します。
第2楽章 アダージョ(ゆっくりと):アンダンテ・コン・モート(歩くような速さで)
ゆったりとしたブルース調の1曲です。
トランペットが切々と歌うところが印象的ですが完全に悲愴感に支配されることはなく、どこかホンワカとして楽天的です。
クラシックで言うところの緩徐楽章ですが、とても洗練されたジャズ的なおしゃれ感もあって楽しめる楽章に仕上がっていますね。
第3楽章 アレグロ・アジタート(速く、激しく急いで)
タン、タカタカタカ♫
タン、タカタカタカ♫
弾む!
- ピアノ!
- 打楽器!
- 管楽器!
支えて盛り上げ、弦楽器!!
- 歌え、高らかに!
- 楽しめ、朗らかに!!
- 拓け!音楽新時代!!
ガージュウィンの名作ピアノ協奏曲、感動のフィナーレです。
【名盤3選の感想と解説】ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》
アンドレ・プレヴィン:ピアノ&指揮
ピッツバーグ交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
ジャズピアニストとしての経歴も持つプレヴィンの名盤は、やっぱりカッケー(カッコいい)っす!!
切れがよくシャープでありながらも「流れるようなクラシカルでレガートな魅力」も忘れません。
およそガーシュウィンのピアノ協奏曲のデフォルトとして聴けるといってもいいくらいなバランスが良くまたノリもいい名盤です。
色々な名盤を聴きながら、なんだかどれも魅力的だし何を基準にすればいいんだろうと悩んだらアルパカがまず聴くのがプレヴィンのガーシュウィンですね。
ぜひレガートでクラシカルな魅力とスタッカートでジャジーな魅力も楽しめるプレヴィン指揮の名盤を堪能してみてくださいね。
小澤征爾:指揮
マーカス・ロバーツ・トリオ
サイトウ・キネン・オーケストラ
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
これぞ「ジャズ系でスタッカートなノリの良さ」が存分に楽しめて聴き手をうれしい気分に導いてくれる名盤です。
ジャズトリオをメインにして楽曲が展開しながらそれに小澤征爾の指揮する管弦楽がサポートするという形をとっています。
要素としてはジャズのテイストを全面に出し切りながらも邪魔をしない程度にクラシカルな縁取りを施していくというスタイルをとっています。
とても面白い試みですしガーシュウィンの持つ本来のジャズ的な魅力を引き出した一度は聴いておきたい名盤です。
パスカル・ロジェ:ピアノ
ベルトラン・ド・ビリー指揮
ウィーン放送交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
もっとも「クラシカルでレガート系の美しさ」が堪能出来る名盤です。
音楽の流れもゆったりとゆとりを持たせた優しさを感じさせるつくりです。
ロジェの雅(みやび)やかなピアノで聴くガーシュウィンも中々のものですよ。
ジャズの魅力を根本に持ちながらもクラシカル要素も大事にしたガーシュウィンのクラシカルな美しさを再確認できる名盤です。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》
さて、ガーシュウィン《ピアノ協奏曲》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
楽しくスウィング
カッコいい
リズムにノる!名曲♫
クラシックからジャズへの…
そう、レガートの時代からスタッカートの時代への橋渡し!
ノリが良くって美しい、そんな魅力でいっぱいなガーシュウィン《ピアノ協奏曲》でノリにノッちゃってくださいね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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