アルパカと聴く幸福なクラシック

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ワーグナーの音楽からの脱却が生んだ

ドビュッシーの「名作時代」始まりの前奏曲

 

さて、今回は、ドビュッシー《弦楽四重奏曲》解説とおすすめ名盤を紹介です。

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【解説】ドビュッシー《弦楽四重奏曲》



ドビュッシー《弦楽四重奏曲》についてのこんな解説があります。  

彼の名を一躍高めた《牧神の午後への前奏曲》はまだ完成をみていない。つまりドビュッシーの名作時代はこの弦楽四重奏曲をもって始まるのである。
弦楽四重奏曲という曲種は、これまで多かれ少なかれベートーヴェンの傘下に置かれることを余儀なくされていたのだったが、それの引力圏外にここで初めて飛び出したのだ。(中略)四挺の弦によって描かれるまるで霧のヴェールのような肌ざわりには、作曲者の若い甘美な心情が宿っている。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P176より引用

ドビュッシーの活躍した19世紀の音楽界はリヒャルト・ワーグナーの音楽に多くの影響を受けていました。

ドビュッシー自身も強く影響を受けたひとりであったわけですがある時、転機がやってきます。

1889年にバイロイト(ワーグナーの音楽のみを披露するいわば聖地)を訪れたドビュッシーはワーグナーの音楽を聴いた際に疑問を感じ始めます。その疑問とはワーグナーの音楽の持つ多弁さや華やかさに対するものでした。

 

ドビュッシーの東洋趣味は有名で、パリ万博で聴いたジャワのガムラン音楽に触発されたり、日本の葛飾北斎や喜多川歌麿の浮世絵を好んだりもしています。

もともとドビュッシーに備わっていた東洋的感性がワーグナーの音楽への疑問として湧き上がってきたと言えるかもしれません。

 

解説にありますがドビュッシー《弦楽四重奏曲》を作曲したことを皮切りに、多くの名曲が生まれていく、いわば「名作時代」が始まっていきました。

 

またドビュッシー《弦楽四重奏曲》は作曲家フランクが積極的に採用した循環形式(複数の楽章で、共通の主題や旋律を用いることで曲全体のバランスを保つ手法)を使いながらも、旋律や和声はドビュッシーのオリジナリティに満ちた名曲に仕上がっています。

 

初演:1893年12月19日パリの国民音楽協会にて

演奏:イザイ四重奏団

編成:

ヴァイオリン×2、ヴィオラ×1、チェロ×1

 

【各楽章を解説】ドビュッシー《弦楽四重奏曲》

第1楽章 活気を持って、きわめて決然として(Animé et très décidé)

ジャッジャーン!

いきなり始まる活気を帯びた主題。

それは洋装を変えつつドビュッシー《弦楽四重奏曲》の全体を通して現れるモチーフ。

これに続いて展開するは、ドビュッシーの持つ独特な幻想感のある旋律たちの交わりです。

どことなく東洋的な「諦観した印象」や「凛(りん)とした面持ち」があります。

 

 

第2楽章 充分に生き生きとリズミカルに(Assez vif et bien rythmé)

ヴァイオリンが不安定な音形を歌いながらも、各弦楽器たちが楽しく語らっている様が不思議な感覚を呼び起こします。

全体としては明るい基調で本来、緩徐楽章が置かれる弦楽四重奏曲としては珍しい形です。

弾むリズムとピチカートな弦楽器のたちの歌も印象的な楽章になります。

 

第3楽章 とてもゆるやかで、表情豊かに(Andantino, doucement expressif)

ゆったりとした楽章がここに来ます。

抒情的で甘いメロディを持っていて惹かれます。

ここに感じられる神秘感も東洋的な要素が強く、静かな満月の空の下、深い瞑想に沈潜していく感覚が伝わってくるようです。

透明度の高まった洗練された心の世界とは、こんな感覚なのかなと想像してしまうほどの広がりを持った名曲です。

 

第4楽章 とてもおだやかに、躍動的に、情熱的に(Très modéré - Très mouvementé - En animant peu à peu - Très mouvementé et avec passion)

静かに始まったかと思いきや、いきなり音の動きに力が帯びてきます。

  • 冷静とロマンティシズム
  • 諦観と透明感

破るような情熱的楽章でありながら崩壊することのない神秘感を保っているところが静かな驚きを誘います。

循環形式を取りながら様々な要素が絡み合い、しかし混濁してしまわない統一感を保って展開する。

まるで天高く張られたロープの上をゆく綱渡り的な美しさ…。

そう少しでもバランスを崩せば、

落ちる

墜ちる

堕ちていく…

 

そんなバランス感を保ち続けつつ、はかなげでありながらも躍動感のある終楽章です。

 

【名盤2選の感想と解説】ドビュッシー《弦楽四重奏曲》

 

アルバン・ベルク四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

このはかなげな名曲を水も漏らさぬアンサンブルを駆使して、いい意味で絶句させる名盤です。

有無を言わせぬ説得力と切れ味や、鋭い感性と叙情性も加味して美しい

それなのに鼻持ちならない雰囲気を感じさせないところに懐の深さを感じます。

ほどよい冷たさはドビュッシー《弦楽四重奏曲》には必要ですが、まさしくバランスのいいヒンヤリ感のある名盤とも言えそうです。

 

オルランド弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

フレッシュな感性、弾ける名盤です。

アルバン・ベルク四重奏団の名盤はよく言えば完璧ですが、どことなく少し近寄りがたいフォーマル感もあります。

しかし、オルランド四重奏団の名盤はアルバン・ベルク四重奏団の「水も漏らさぬ」ほどのアンサンブルという感じではなくとも聴きやすさを感じます。

ドビュッシー《弦楽四重奏曲》の音楽性の中で遊び、語り、心から楽しんでいるという感覚が伝わってくるようです。

陽気な傾向ではありますが、陰うつ過ぎてもある意味ドビュッシーらしくありません。

少し明度を上げたドビュッシー《弦楽四重奏曲》、悪くないです。

 

【まとめ】ドビュッシー《弦楽四重奏曲》

さて、ドビュッシー《弦楽四重奏曲》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

その混沌

はかなし…

されど美し四重奏♫

 

ドビュッシーがワーグナーの音楽からの影響から羽ばたいた後の「東洋的で自由な発想」が切り拓いた「名曲時代」。

その始まりの一歩を記した「静かなる足音」とでも言える名曲ドビュッシー《弦楽四重奏曲》。

 

日常から降って湧いてくる「わずらわしさ」という名のホコリ、かぶっていませんか?

 

さあ、払いましょ、ドビュッシー《弦楽四重奏曲》を聴いて…。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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