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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番【解説と名盤3選】うるわし王妃の凛とした思いのきざし…

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突如鳴る

ピアノ、優美なり

王妃協奏曲!

冒頭から歌い出すピアノが、香り高い気品を放つピアノ協奏曲第4番。ベートーヴェンにとって全5曲ある中でも個性的であり、優美な魅力を持っています。

今回は、ベートーヴェンピアノ協奏曲第4番解説とおすすめ名盤を紹介します。

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【曲の解説】

《第5》が「皇帝」ならば、こちら(第4)はさしずめ「王妃」といったところ。この2曲には、いずれにしても王者の貫録と気品がある。《第4》では、スケールの大きさと共に、優美=繊細さとが、きわだった特徴

出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P72より引用

曲の冒頭でいきなりピアノのソロから始まることが、当時としては新しかったピアノ協奏曲第4番

解説にありますが全体としては優美で繊細な響きが、王妃のような身のこなしを思わせます。このピアノ王妃は、支えてくれる管弦楽に対しても寛容であり、ただおしとやかなだけでなく、管弦楽とも対話を楽しむ寛容さを持ち合わせています

それまでのピアノ協奏曲はあくまでもピアノが主役であって、管弦楽はただ従い支えることに構造的な特徴がありました。しかし、ベートーヴェンのピアノ協奏曲からは管弦楽も自由に歌わせています

冒頭に奏でられるピアノの同音連打は有名な運命交響曲との関連が指摘されることがあります。ピアノ協奏曲第4番を作曲と同じ頃に運命交響曲の構想もあったことから、「運命の動機に近い」と言われるわけです。

ピアノ協奏曲第4番の作曲が始まったのは1805年ですが、1803年にはピアノの可能性を大きく飛躍させたフランスのエラール製ピアノがベートーヴェンに送られています。豊かな創造性が発揮されたピアノ協奏曲第4番の作曲もエラール製ピアノの存在は大きく影響したと思われます。

ベートーヴェンにとっては良きパトロンであり音楽の弟子でもあったルドルフ大公にピアノ協奏曲第4番は献呈されています

初演:1807年3月ウィーン:ロプコヴィッツ侯爵邸にて(非公開)

   1808年12月22日アン・デア・ウィーン劇場にて(公開)

独奏:どちらもベートーヴェン自身

編成:

ピアノ独奏

弦5部、フルート×1、オーボエ×2、クラリネット×2、ファゴット×2、ホルン×2、トランペット×2、ティンパニ

 

【各楽章を解説】

第1楽章 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

第1楽章の内面に秘められた「ピアノ王妃」の資質にはズバ抜けたところがあり、まわりの管弦楽を引き立てながらもその凛とした高貴な佇まいを崩すことがありません

「ターン、タタタタ、タタタタ…♫」

運命交響曲のごとく、冒頭から同音連打でいきなりピアノが歌い出す協奏曲は強いインパクトがあります。ピアノ王妃が歌えば管弦楽も歌い、管弦楽が歌えばピアノも歌うといった対話の妙が美しく、曲全体の持つ特徴を表しています

しかし、対話だからといってピアノ協奏曲第4番におけるピアノが主張を損なうことは決してありません。管弦楽が対等に交わりながらも歌うピアノは、上品で雅やかな装いが保たれ、始まり、そして終わっていきます

 

第2楽章 アンダンテ・コン・モート(ゆっくりと、動きを持って)

王のように、男性的に始まる弦楽が苦悩を漏らせば、ピアノ王妃が優しく慰める。理性を失い王が頭を抱えながら弦楽の咆哮をすれば、再び王妃は寄り添ってゆく。

途中から憂いを帯びた旋律が、ピアノ王妃ひとりによって歌われるとふと王は気づく…。その通る鼻筋と、光を帯びてそよ風に遊ばれる美しい髪のことに…。

弦楽の王の心は凪いでゆき、静まってゆく…わずかな悲しみの感情を取り残しながら…。

激情を含みつつ、対話的協奏曲の持つ儚さをも漂わせた楽章です。

 

第3楽章 ロンド:ヴィヴァーチェ(活き活きと)

エレガントな第1楽章と重厚な第2楽章の後は、弾むように喜び舞い上がる意気盛んな第3楽章です。

第1、第2楽章では沈黙を守っていたティンパニとトランペットが表れます。思えば第2楽章ではティンパニとトランペットどころか、管楽器の出番もありません。ピアノ以外は弦楽のみの構成だった第2楽章なわけですが、そんな興味深い作曲をしているところもピアノ協奏曲第4番の特徴です。

第3楽章の始まりは、弦楽器に導かれながらピアノ王妃が現れるといった運びになります。ティンパニとトランペットが加わることで、一層エネルギッシュで高まる躍動感。冒頭のモチーフが繰り返されながら紆余曲折を経ながら感動的なラストを迎えます。

 

【名盤3選の感想と解説】

ヴィルヘルム・バックハウス:ピアノ
ハンス・シュミット・イッセルシュテット:指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 

Wilhelm Backhaus, Rudolf Serkin

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

バックハウスのしっかりと構築されていく音楽の中に、ピアノ協奏曲第4番の持つ抒情性を漂わせて美しい。バックハウス自身がベートーヴェンのピアノ協奏曲のなかで一番好んでいたこともあり、思い入れが感じられます。

イッセルシュテットとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の包み込むような柔らかい音も好感が持てます。ピアノと管弦楽との良い相乗効果が働いてとても格調高い演奏に昇華しています。

 

アルフレッド・ブレンデル:ピアノ
ベルナルト・ハイティンク:指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 

アルフレッド・ブレンデル & ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

考え抜かれた構造と磨き抜かれた珠のようなピアノが美しい名盤です。知的な響きの中に深い情緒を含めています。ハイティンクとロンドンフィルがブレンデルのピアノを引き立てながら、ふくよかに歌います

この名盤の清々しさが、王妃的協奏曲の持つ情感にピッタリ。湧き出る泉のような澄みきった名盤と言えそうです。

 

フリードリッヒ・グルダ:ピアノ
ホルスト・シュタイン:指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 

フリードリヒ・グルダ & ヨハン・セバスティアン・バッハ, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 & ホルスト・シュタイン

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

悠揚迫らぬテンポで展開しながら、曲の解釈に対する曖昧さを全く感じさせない淀みのなさに感嘆のひとこ。グルダの磨き抜かれたピアノが光輝いて、有無を言わせぬ王妃の品格が漂います。

シュタインとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、自由に舞い上がるピアノを絹のような滑らかな音を持って演出します。ただただ音楽の流れに身を任せていると時間が経つのを忘れるほどの名盤です。

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【まとめ】

ベートーヴェンピアノ協奏曲第4番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

突如鳴る

ピアノ、優美なり

王妃協奏曲!

香り高い気品が漂うピアノ協奏曲第4番は、比較的に重厚な曲の多いベートーヴェンにしては珍しいかもしれません。ピアノ王妃が歌えば管弦楽も歌い、管弦楽が歌えばピアノも歌う楽しいひととき。

ぜひ、一度、聴いてみてくださいね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の醍醐味ですよね』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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