アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》【4枚の名盤解説】第1楽章は、まるで駆け抜ける白馬!

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駆け抜けろ白馬!!

失意から、再起へと向かう時に聴きたい♫


「ワルトシュタイン」:第1楽章

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

失恋、聴覚障害からの自殺の決意。

そんな失意の思いから、ベートーヴェンを救ったものとは…?

【楽曲を解説】ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》

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ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》の印象的なエピソードを含む、こんな解説があります。 

このソナタにつけられた「ワルトシュタイン」という名前は、ベートーヴェンがこの曲を献呈したワルトシュタイン伯爵の名をとったものである。

ワルトシュタイン伯爵は、ベートーヴェンがボンにいたころから、彼を援助し、ウィーンの社交界にベートーヴェンがデビューするきっかけを、つくってくれた大パトロンであった。(中略)

この曲は、ジュリエッタ・グィチャルディとの恋愛に破れ、しかも耳の病気が絶望的となって、一時は死を覚悟したベートーヴェンが、みごとに立ち直ったころ(1804年)の作品で、力強く前へつき進もうとする彼の意気込みが、特に第一楽章などにはよくあらわれている

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P285より引用 

ワルトシュタイン伯爵は、『伯爵』という肩書以外にも、さまざまな役職を、こなしました。

なおかつ、音楽的素養も高いものがあり、ベートーヴェンの才能をいち早く見抜くことができました。

また、モーツァルトや、ハイドンとも親交もあったそうです。

それゆえに今でも残る、ワルトシュタイン伯爵の有名な言葉があります。

1792年、ベートーヴェンは、ウィーンへと旅立つこととなります。

その際に、ワルトシュタイン伯爵は、ベートーヴェンへ、言葉を贈ります。

「モーツァルトの精神をハイドンの手から受け取りなさい」

この頃、モーツァルトは、亡き人となっていましたが、もうひとりの、当時の音楽的偉人であるハイドンは、健在でした。

そんなことから、出た言葉でした。 

ピアノソナタ《ワルトシュタイン》を、作曲したベートーヴェン。

解説にありましたが、この頃は、耳の病気がよい方に向かわず、さらに、失恋を経験したりして、悩んでいたため、自殺を考えていました。

遺書を書いていた形跡も、残されています。

それを、乗り越えるキッカケを作ってくれたのが、ワルトシュタイン伯爵でした。

そのころ、エラール社という、フランスのピアノ制作会社のピアノが、ワルトシュタイン伯爵からベートーヴェンに送られます。

これは、それまでのピアノでは、難しかった連打が可能になったことや、音の幅の広がりのあるものでした。

これに触発されたベートーヴェンは、想像力が豊かに広がっていきます。

その影響もあって、再び、音楽への創作意欲も、湧き出したのでした。 

ベートーヴェンは、このエラール社のピアノの広い音域を活かした曲を書きあげます

それがベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》というわけです。

そして、作曲後は、言うまでも無く、ワルトシュタイン伯爵に献呈されました。

【各楽章を解説】ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ(陽気に速く)

タタタタ、タタタタ、タタタタタ!

まるで、「機関車や機関銃、そうでなければ、白馬のひづめの音でしょうか?」

そんなイメージです。

指示としても「陽気に早く」というにふさわしく、けたたましいくらいのスピードの連打で、始まります。

ベートーヴェンの想像力の再起と復活

生きる力と希望を見出したベートーヴェンの心の鼓動に聴こえてくるのは、アルパカだけではないと思います。

冒頭から聴きほれて一気に、聴き終えて気持ちいい」1曲です。 

第2楽章 イントロドゥッツィオーネ・アダージョ・モルト(序奏・きわめてゆるやかに)

第3楽章の序章的な役割の第2楽章です。

どこか深淵で、瞑想的であり、静かな湖のほとりで、もの思いにふける青年のような趣きがある1曲です。

短いのに、とても印象的な楽章です。

第3楽章 ロンド・アレグレット・モデラートープレスティッシモ(中くらいの速さで)

第2楽章の静けさを、通り抜けたあとの、清くて美しい、そして明るい1曲ですね。

第1楽章ほどの盛り上がりはないものの、アップテンポの1曲で、舞曲的で、ノリが良く、聴きやすい曲に仕上がっています。

【4枚の名盤を解説】ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》

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フリードリヒ・グルダ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

「ぶっ飛んでる!!」

そんな、ひとことがピッタリの名盤!

冒頭の「タタタタタ!!」の連打からして超高速ミラクルタッチの、

「痛快!」「爽快!」「カッコいい!」3拍子そろった名盤。

全編に流れる、きらめくセンスは、ジャズ・ピアノの世界でも活躍したフリードリヒ・グルダの独特な境地だと思います。

ぜひ、このスピード感に酔ってみてくださいね!

アルフレッド・ブレンデル:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

一音一音がキラキラと、粒立っているブレンデルのピアノです。

「美しい歌」でいっぱいのベートーヴェンのピアノ・ソナタには、向いていますね。

スピードや、迫力で聴かせるというよりは、見えない世界の、しかし、たしかに存在する天上からの「音のプレゼント」。

ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》というカタチを借りての「天国の歌」ですね♫

ヴィルヘルム・ケンプ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

よく言われるケンプの技巧の問題。

たしかに、構造が複雑すぎる音楽には、超絶技巧も、必要なのかもしれませんが、ベートーヴェンのような「旋律キレイ系」の音楽には、何よりも「歌のこころ」をもって旋律を美しく表現することこそが重要であり必須ですよね。

それを満たすには、「ケンプの、歌の心つまった名盤」がいいですね。

「技巧がある」だけでは表現しきれないベートーヴェンの「歌の世界」を堪能できる名盤ですね。

目を閉じて耳を澄ましてみれば、ベートーヴェンの音楽する喜びの心が見えてきます。

 

ヴィルヘルム・バックハウス:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

揺るがない構築感の、もっとも「ベートーヴェンらしい」演奏の名盤。

淡々と弾き進められているようで、堂々とした揺るぎない自信をうちに秘めているように感じます。

どこまでも堅実で、危なげのない技巧に舌を巻きますね。

それゆえに、少し硬さも感じますが、歴史的演奏と言っていい名盤ですね。

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【解説と名盤、まとめ】ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》

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さて、ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》の名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?

冒頭からアップテンポで、ノリのいい、ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》

少し気分が、落ち込み気味で浮かないなあ、なんて時は誰にでもあるものです。

そんな時は、ベートーヴェン:ピアノソナタ《ワルトシュタイン》に耳をゆだねて楽しいひとときを、過ごすのもいいものです。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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