軽快で楽しい!
ユーモアあふれる
古典的ポップ♫
軽音楽といわれるジャンルで多くの名曲を残したアンダーソンですが、なかなかどうして、伝統的な雰囲気を持った音楽だって楽しくしちゃう。
今回は、アンダーソン:ピアノ協奏曲の解説とおすすめ名盤を紹介します。
【曲の解説】
小品が多いアンダーソンの楽曲の中では数少ない、比較的規模の大きな作品である。古典的なソナタの様式に則り、確固たる構成を持ちながらも、ジャズなどの様々な音楽の影響を受けた、親しみやすい楽曲である。
ウィキペディア 「ピアノ協奏曲 (ルロイ・アンダーソン)」より引用
アンダーソンは「そりすべり」や「タイプライター」「トランペット吹きの休日」など、私たちにも馴染み深い曲を多く作っています。アンダーソン自身はハーバード大学で本格的に音楽理論を学んでいますし、学士号や博士号を取得してもいます。
軽音楽で知られるアンダーソンですが、伝統的ないわゆるクラシカルな音楽も作っています。解説にあるように、さすがルロイ・アンダーソンといえる親しみやすい旋律に満たされていて楽しい気分にさせてくれる1曲です。
ピアノ協奏曲といえば欧州では盛んに作曲されましたが、アメリカで誕生したことは珍しく、その中でも多くの人に親しまれる内容を持った隠れた名曲です。しかし、1953年の初演時には手厳しい非難を浴びてしまいアンダーソン自身の手で作曲リストから外してしまったほどでした。
晩年にはリメイクを試みようと考えましたが、実現する前にアンダーソンは他界。1989年、アンダーソン夫人の許可を得てリバイバル上演されたことで再評価されました。イェルク・ムルシュインスキによる吹奏楽編曲版も誕生し、広く知られるようになりました。
【各楽章を解説】
第1楽章 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)
ディズニーを思わせる夢のような管弦楽の海が広がれば、ピアノの船は波に乗ってたゆたいます。一瞬の不穏な流れが、海賊出現を思わせるようで楽しいですが、何隻もの船がその個性を堂々と誇ります。
始終、音楽が映像的でドラマティックなのはルロイ・アンダーソンらしく、それが伝統的なピアノ協奏曲という形を通して表現されていきます。
第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)
海は凪ぎ、ピアノと管弦楽は優しくロマンティックに歌います。途中でリズミカルに弾む場面があります。しかし、すぐに波は静かな音楽を奏でてきます。
第3楽章 アレグロ・ヴィーヴォ(軽快に速く)
早口なピアノが語れば、スネアドラムも早口で返します。やり取りを何回か繰り返した後に管弦楽が絡みます。打楽器や金管楽器が大活躍するマーチ風の楽章でユーモアを交えながら楽しく展開していきます。
ルロイ・アンダーソン節が存分に炸裂した印象。古き良きアメリカのハリウッド映画を思わせるような痛快さがあって胸踊りワクワクします。
【名盤3選の感想と解説】
ジェフリー・ビーゲル:ピアノ
レナード・スラットキン:指揮
BBCコンサート管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
アンダーソンのピアノ協奏曲の良いところが炸裂!20世紀のアメリカ音楽を積極的に紹介してきたスラットキンの演奏は聴いておきたいところ。スラットキンの指揮に乗ってピアノのジェフリー・ビーゲルもノリノリで弾いています。
楽団が一丸となって存分に音楽を楽しんでいる姿がありありと浮かんできます。心から楽しむのが音楽ですし、スラットキン自身の考えの表れなのかもしれません。
サイモン・テデスキ:ピアノ
ポール・マン:指揮
メルボルン交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
クラシカルな魅力を十分に引き出した名盤で、曲の持つ正統的なピアノ協奏曲の面を楽しみたい時に聴きたいです。まるでロマン派の作曲家が生み出した曲のように聴こえてきます。
壮大でありながら軽音楽的な要素も忘れない楽しさです。重厚さと軽みが融合してバランスの良い名盤といえそうです。
渡邊一正:ピアノ&指揮
大阪市音楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
イェルク・ムルシュインスキによる吹奏楽編曲版を採用した名盤です。大阪市音楽団の第1回定期演奏会からちょうど50年の101回目の定期演奏会ライブ録音。ピアノも得意とする指揮者の渡邊一正が全体を指揮しています。
アンダーソンのピアノ協奏曲が、さまざまな可能性を秘めていることがわかる演奏です。管楽器の持つ柔らかく温かい印象の仕上がりが特徴の名盤です。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】
アンダーソン:ピアノ協奏曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
軽快で楽しい!
ユーモアあふれる
古典的ポップ♫
軽音楽といわれるジャンルの作曲家アンダーソン。古典的な音楽理論をキッチリと身につけたからこそ長く愛されるのかもしれません。アンダーソンのピアノ協奏曲は伝統的な音楽の持つ良さと軽音楽が見事に融合した名曲。
ぜひ一度、存分に楽しんでみてくださいね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の醍醐味ですよね』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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